女優の石橋静河(32)が主演を務めるNHK連続テレビ小説「ブラッサム」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は28日、第23回が放送され、日本屈指の文芸雑誌「首都公論」の副編集長・山中勇三役を演じる俳優の井浦新(52)が初登場した。朝ドラ出演は2019年度前期「なつぞら」以来7年半ぶり2回目。井浦のコメントが同局を通じて到着。恋多きヒロインを描く今作の魅力について「凄く挑戦的な朝ドラだなと思っています」と明かした。
<※以下、ネタバレ有>
櫻井剛氏と小松與志子氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算115作目。明治・大正・昭和・平成を駆け抜けた作家・宇野千代さんをモデルに、主人公・葉野珠が幾多の困難にのみ込まれながらも“花開き、咲き誇る”姿を描く。
――出演決定時の心境について。
「『なつぞら』の時もそうでしたが、連続テレビ小説からのオファーというのは自分がうれしいだけではなく、親戚一同、家族みんなに喜んでもらえる本当に光栄なことです。(作家)西尾一路役の染谷(将太)くんとは『なつぞら』以来の共演になるので、また朝ドラで会うなんてちょっと面白いねと話をしました。他の映画やドラマに比べて1日で撮る分量が圧倒的に多く、撮影のリズムが速いので、緊張やプレッシャーも感じます。朝ドラのリズムの中にポンと入ってすぐにエンジンをかけられるか緊張しました」
――役柄について。
「まずは、遠藤憲一さん演じる黒崎編集長とのコンビネーションの中から山中の人物像を作っていきました。全くタイプが違う2人ですが、思ったことや感じたことをそのまま言葉と体に出す直感的な黒崎と、それ以外のものを持っている山中はとてもバランスがいいと思います。黒崎から山中への絶対的な信頼が見えますし、山中も編集長に対して結構ズケズケと物を言うので、ただの上下関係ではなく本当に信頼し合った戦友のような関係なのではないでしょうか」
「黒崎と対比すると山中は静と動の“静”ですが、いつも冷静沈着な精密機械のようなキャラクターというわけではありません。監督と相談しながら淡々とした台詞に少し肉づけをし、生っぽい言い回しに落とし込みながら役を育てました。細かなところで黒崎さんへの信頼や敬愛がにじみ出る、人間らしい揺らぎが表現できていたらいいですね」
「敬語と敬語じゃない時の使い分けが明確なところも、山中の特徴です。珠のような出自やキャリアの作家でも認めたらパッと敬語に切り替えますが、編集部員などにはまだ敬語ではありません。きっと山中なりのルールがあるのでしょう。意外とこういう部分が人間臭さにつながるので、大切にしています。敬語を使うのは作家への敬意はもちろん、自分の仕事や文学に対する山中なりの情熱の表れでもあると思います」
――珠との関係について。
「(第5週の)たまたま悠樂軒に来た黒崎編集長に原稿を手渡すという、ある種“飛び級”のような珠のやり方は山中好みではなかったと思います。文壇の世界は誰にでもチャンスが開かれているわけではありません。そこに飛び級のようなやり方で入ってくる珠のことが、山中は苦手だったのではないでしょうか」
「でも“苦手”ではあっても“嫌い”ではないと思うんですよね。というのも、僕の中で“山中は面倒くさい人間が大好き”という設定があって、面倒な100のことはできないけれど1のことが飛び抜けてできる人や、山中自身が持っていない能力を持っている人への敬意が深いはずです。その最たる人が黒崎さんですが、きっと敵も多くて付き合うのも大変な黒崎のことを山中は大変だと思っていません」
「同じように、珠のことも実は大好物だろうなと解釈して演じています。山中は自分も変なことには気づけていないタイプ。周りから見れば山中も変なのに、黒崎や珠を“変な人ってやっぱり面白いな”と見ているんです。この分かりやすくはない変さや自覚のないオリジナリティーが実は出ている、人としての豊かさも山中の魅力です」
――視聴者へのメッセージ。
「凄く挑戦的な朝ドラだなと思っています。人を愛することや恋をたくさんすることは、決して悪いことではないはず。でも、今は“常識がない”“節操がない”という言葉で簡単に片づけられてしまう、そういう流れが色濃い時代になっているからこそ、刺激を与えられるのではないでしょうか。これまでの朝ドラのヒロイン像とは少し違うかもしれませんが、情熱的に人を好きになることや愛すること、人と人とが関わり合うことの尊さを謳う作品にきっとなると思います。珠の素直に人を愛して、恋をして、それを仕事にも生かして…という生き方が朝ドラというフィルターを通してどう表現されるのか僕も楽しみにしています」
2026年10月28日 08時24分