俳優・横浜流星(30)が主演するTBS系金曜ドラマ「LOST10(ロストテン)」(金曜後10・00)の第3話が、30日に放送された。北海道の登山ツアー中に起きた遭難事故「支樺岳(しからだけ)事件」をきっかけに、10人の登場人物を軸に謎が展開。「Nのために」「最愛」などを手掛けた脚本家・奥寺佐渡子氏による完全オリジナルの物語で、全く先の読めない展開が話題だ。奥寺氏が取材に応じ、横浜が演じる刑事・小駒の人物像や、作品に込めた思いを明かした。(中村綾佳)
初回放送直後から「これからどうなるの」「全く先が読めない」と大きな話題を集めている同作。原作のないオリジナル作品だからこそ、奥寺氏が大切にしたのは、視聴者が先の展開を待ちわびる楽しさだった。
「私自身もドラマのいち視聴者として、オリジナルドラマを見るときは本当に楽しみなんです。“次はどうなるんだろう、先の展開が全然読めない”という期待感で、いつも次回までの1週間を楽しみに待っています。その楽しみを、少しでも脚本の中に再現できたらなと思いながら書きました」
物語は、刑事・小駒(横浜流星)と保険調査員・直(小栗旬)をはじめとした10人に起こるサスペンスが軸。登場人物が増えるにつれて内容は広がりを見せる。「小駒と直にとって、この人物は敵なのか協力者なのか。それぞれのキャラクターの言動に注目しながら見ていただきたいです」。新たな人物の登場によって、2人が翻弄(ほんろう)されていく展開も見どころの一つとなる。
近年のドラマ界は、放送後に視聴者が展開や登場人物の正体を推理する「考察ブーム」が一大トレンドとなっている。この傾向に、奥寺氏は「私も視聴者のみなさんの考察を読んでいます。それを読むのも楽しみでもあります」と自身も楽しんでいるようだ。今作については「『考察ドラマ』として楽しんでいただいても、『バディもの』として楽しんでいただいてもいい。『人間ドラマ』として楽しむ方もいらっしゃると思う。私としてはみなさんがお好きなように、自分の見たい形で楽しんでいただけたら嬉しいと思っています」と、視聴者それぞれの楽しみ方に期待を寄せた。
作品を通して掲げられるキーワードは「全てを疑え」。奥寺氏は「物語の中では何が起こっても、それが真実とは限らない――ということが、全話を通してあります」と説明。物語の序盤では比較的疑い深い人物ではない小駒だが、さまざまな謎に触れ次第に変化していくという。「そこも注目していただければ」と見どころを語った。
今作は「Nのために」「最愛」など長年タッグを組んできた塚原あゆ子監督、新井順子プロデューサーとの再タッグ。奥寺氏は、打ち合わせで2人から「むちゃくちゃなリクエスト」が飛び出すことを明かし「『それじゃ、奥寺さんよろしくお願いします』みたいに打ち合わせが終わることもあります」と、笑いを交えて振り返る。
そんな「むちゃくちゃなリクエスト」に応えられるのは、制作陣が生み出すドラマに絶大な信頼を寄せているから。奥寺氏は「私自身がこの制作陣の大ファン」だと明かし「今作の初回を見たときに本当に素晴らしいと思いました」と絶賛。俳優陣の演技についても「想像以上にキャラクターに膨らんでいて、心を込めてキャラクターを作り上げてくださったんだなということが伝わってきました」と感謝をにじませ「この仕事をやってよかった」と感慨深げに話した。
今作は「見るたびに発見がある」と語る奥寺氏。登場人物の言動に隠された意味を探りながら、事件の真相と人間模様の行方を見届けたい。
2026年10月31日 07時01分