J1川崎フロンターレのアカデミーで活躍し、米メジャーリーグ・サッカー(MLS)挑戦を経てビジネスマンに転身した元アスリートがいる。広告大手の電通に勤務する島崎竜さん(29)は中学生年代のU―15、高校生年代のU―18で同期のMF三笘薫(29=ブライトン)や1年後輩のMF田中碧(28=リーズ)らのちの日本代表選手たちと共にプレー。攻撃参加が得意な元サイドバックらしく、人生の節目でも“突破力”で道を切り開いてきた。
「多くの広告を扱っている電通なら広い意味で成長できるだろうな、と思って…。新しいことに挑戦がしたくて機会をいただきました」と島崎さん。米国での現役生活に区切りをつけて帰国し、2021年10月に入社した楽天で約4年の勤務を経て25年9月に電通入りした。現在はCM制作や対テレビ局の仕事、アカウント・エグゼクティブ(AE)という立場でクライアントの戦略プランニングを担当するなど幅広い業務に取り組んでいる。
依頼や要請をただ受けるだけでなく、多彩なアイデアと実行力を伴って自ら積極的にクライアントや案件に関わっていくことが求められる。プロデューサーとして進行や予算も管理。「チーム連携の中で自分が止まったら、みんな止まってしまうみたいなところもあるので。メチャクチャ大変です」と苦笑しながらも充実感をにじませる。
原点はフロンターレの育成組織にある。小学4年時のセレクションは落選も、選抜されたメンバーが参加する川崎市のトレセンで指導に来ていた川崎Fのスタッフに声をかけられた。5年時から週1回、同クラブのスペシャルクラスに参加することが決まり、技術に加えて考える力も養った。「うまくいかなったプレーは何が駄目だったのか。次はどうするか。自分の意見を持つということですね」。サッカーノートを毎週提出。添削も受け「考える習慣を身に付けました」と振り返る。
そこで力を蓄え、中学からは正式にU―15入りが決定。横浜F・マリノスからも合格通知をもらったが、迷うことなくフロンターレを選択した。新たな環境で交流を深めたのが同期生の三苫だった。=【2】に続く=
◇島崎 竜(しまざき・りょう)1997年(平9)4月19日生まれ、川崎市出身の29歳。幼稚園からサッカーを始め、小学生からリバーFCで活動。中学時代に川崎Fのアカデミーに加入し、高校卒業後は米バージニア・コモンウェルス大(VCU)に進学。2020年には米MLSニューイングランドのセカンドチームに加入し、3部相当のリーグで7試合に出場、1得点を記録した。21年に楽天グループ株式会社に入社。25年に株式会社電通へ入社し、現在はビジネスプロデューサーとして勤務している。
2026年10月23日 07時00分