俳優の仲野太賀(33)が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜後8・00)は25日、第41話「家康の野望」が放送され、徳川家康の豊臣への臣従が描かれた。話題のシーンを振り返る。
<※以下、ネタバレ有>
NHK連続テレビ小説「おちょやん」などの八津弘幸氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ通算65作目。“天下一の補佐役”豊臣秀長を主人公に、豊臣兄弟の絆と奇跡の下克上を描く。兄・豊臣秀吉役は俳優の池松壮亮が演じる。
第41話は、あさひ(倉沢杏菜)の輿入れも功を奏さず、徳川家康(松下洸平)は上洛しようとしないが、大政所・なか(坂井真紀)まで人質に差し出され、ついに根負け。しかし、豊臣秀長(仲野太賀)は形ばかりの上洛だと読む。謁見前夜の接待の場で家康に胸の内をさらけ出し、豊臣が真に手を取り合うべき相手か見極めてほしいと告げる。この機に乗じ、家康は豊臣秀吉(池松壮亮)の懐刀・秀長を暗殺しようと計画し…という展開。
大坂城下の秀長の屋敷、酒宴。
家康「では、そなたが最もつらく、苦しかったことは何じゃ。ほんの戯れ事じゃ。答えずともよい」
秀長「たくさんありすぎて、何が最たるものか分かりませぬ。まだ百姓だった頃に、信吉っちゅう友がおって。村を襲ってきた野盗に首をはねられて死に申した。次は、あれじゃな。直という許婚がおりました。わしには必ず生きて戻ってこいと誓わせたくせに、自らは村の諍いに巻き込まれて、あっけなく殺されてしもうた。わしは大事なもんを何も守れんかった。それから、与一郎という子がおりました。わしが弓を手ほどきしてやった折に、柿を渡してやったら、いっつも干し柿ばっかり食うようになって。それが愛おしゅうてな。愛おしゅうて。されど、与一郎も戦でこの世を去り申した。それから…」
家康「(正妻・築山殿と嫡男・松平信康が脳裏によみがえり)もうよい。戯れ言だと申したであろう」
秀長「もう、争いで人が無駄に死ぬのは見とうはござらぬ。恨むはやむなし。憎み合うも仕方なし。じゃが、殺し合いはもうたくさん。戦ごときに大事なもんを奪われてたまるか!皆で文句を言い合いながら、寿命を全うし、最後は笑って死にたい。わしはそんな世を、作りとうござる」
家康の右手から盃が落ちる。それは矢を放つ合図。家康は思わず秀長を庇い、右肩に矢が刺さる。すべて謀(はかりごと)だと白状した。
現れた秀吉は普段とは異なる落ち着いた羽織をまとっている。“真の臣従”を強いる自分たちが傲慢だったと反省し「だが徳川殿、これだけは真のことじゃ。わしがここまで来れたのは、徳川殿のおかげでござりまする」と第5話(2月1日)の“金言”に感謝した。
「誰にもできぬことをやってのけるのじゃ。恐れず、己を信じて突き進むのじゃ。大事なのはここじゃ。熱意が人を動かし、勝敗を決する。今もそうじゃ。徳川殿、明日は見せかけで構わぬ。されどいつの日か、真の心で通じ合えると信じておりまする。共に支え合って、行きましょうぞ」
家康は「秀長殿の最後の問いに、答えておりませなんだな。どのような世をつくりたいかなどと大それた望みを、わしは考えたこともござりませぬ。ただわしは、もう何も奪われたくなかった。だから武家の頂に立ち、大事なものを、守りたかったのじゃ。奪われる前に、奪うのだと。だが、そなたらの目指す世も、悪くはなさそうじゃ」と秀長邸を後にした。
翌日、大坂城。家康は月代を剃っていた。秀吉に臣従を誓い、派手な陣羽織を欲した。
秀吉「(家康に陣羽織をかけ)これからは、そなたがわしを守ってくれ」
家康「ありがたき幸せ。殿下御自らが鎧を着て戦場に立たねばならぬような戦は、この家康がある限り、二度と起こさせませぬ」
秀吉「共に、安寧の世をつくり上げようぞ、我が弟!」
秀長は信吉(若林時英)、直(白石聖)、与一郎(高木波瑠・大西利空)を思い出し、目頭が熱くなる。天正14年(1586年)、秀吉はついに最大の宿敵を従えた。
大坂城・天守。秀長は秀吉に「あんまり急ぐなよ」「折角上ったのに、急いだらすぐに夜になってしまうわ」「今が一番ええ。そんな気がするわ」――。
SNS上には「今日が最終回でもよかったのに」「このままハッピーエンドにしよう」「今日が最終回なら、万事円満万々歳…」「(秀長と家康は)理不尽に奪われた者同士なのよね」「懐かしい直ちゃんや与一郎たちに泣けました」「まさかの家康と数正が再会」「石川殿との絆に泣かされました」などの声が続出。視聴者の感動を呼んだ。
次回は11月1日、第42話「北野大茶湯」が放送される。
2026年10月25日 20時51分