◇SMBC日本シリーズ2026 第3戦 ソフトバンク2―1DeNA(2026年10月27日 みずほペイペイD)
ここぞで切ったカードが、土壇場ではまった。0―1の9回無死二塁。柳田、山川が倒れて2死となり、ソフトバンク・小久保監督は動いた。二塁走者の4番・栗原に代走を送る。指揮官は「もちろん!」と準備させていたことにしてやったりの表情だ。「日本シリーズ初舞台で代走で行ったイヒネがよく帰ってきました」と足のヒーローを称えた。
22年ドラフト1位で入団した、和菓子好きな22歳は興奮していた。「初戦から凄すぎる(試合だ)なと思いながら過ごしてました」とベンチで待機していた。チーム内の快足ならば周東、庄子、イヒネの評価。勝負眼がはまる。2死二塁、牧原大が「ランナーを絶対に還す、その気持ちだけでした」とレイノルズの156キロ直球を右前へはじき返した。2バウンドで神里が捕球後、転倒しながら2バウンドで本塁へ送球。ホームはぎりぎりのタイミングだったが、頭から滑り込んだイヒネの左手が先に触った。
愛称は庄子と同じ「チーター」。三塁コーチャーの大西崇之外野守備走塁兼作戦コーチは「タイミングはアウト。でも、あいつの“回せ、回せ!”との迫力に負けて回せさせられた」と興奮していた。「絶対に(ヒット)一本でホームに還ろうと思いました」とイヒネ。DeNA側のリクエストも覆ることはなかった。
イヒネは今春キャンプで起用方針が変更された。小久保監督は「遊撃、三塁で使う可能性はほぼゼロ。僕だけの意見ではなくフロントと話をして、脚力を生かした代走と外野の守備固め」と説明していた。ただ、今季は1軍では9試合に出場と伸び悩んだ。それでも指揮官は日本シリーズで40人枠に入れ、土壇場で起用し的中した。
代走要員は第2戦で決勝弾を放った川村もいる中、イヒネが抜てきされて応えた。日本シリーズ史上初の開幕から3試合連続延長戦を制したチームには神懸かった勢いがある。
○…ソフトバンクが3連勝で王手をかけた。無傷の3連勝は引き分けのあった75年阪急、86年広島を含め21度目。過去20チームのうち17チームが優勝しておりV確率は85%。南海時代を含めソフトバンクは59、17、19、20年と全て優勝している。今季のソフトバンクはCSファイナルSを無敗(アドバンテージの2勝を含め5勝0敗)で突破。CS、日本シリーズを通じ無敗で日本一になったのは20年ソフトバンクだけ。今季もなら6年ぶり2度目の快挙になる。
2026年10月28日 06時00分