女優の石橋静河(32)が主演を務めるNHK連続テレビ小説「ブラッサム」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は29日、第24回が放送され、日本屈指の文芸雑誌「首都公論」の編集長・黒崎大三郎が主人公・葉野珠の文章に初めて触れる姿が描かれた。黒崎役を演じる俳優・遠藤憲一(65)のコメントが同局を通じて到着。「大事に演じたかったし、自分の中で探って探って探りまくったとても印象的なシーン」と明かした。
<※以下、ネタバレ有>
櫻井剛氏と小松與志子氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算115作目。明治・大正・昭和・平成を駆け抜けた作家・宇野千代さんをモデルに、主人公・葉野珠が幾多の困難にのみ込まれながらも“花開き、咲き誇る”姿を描く。
第24回は、葉野珠(石橋静河)は家事と仕事の合間に小説を書き、西洋レストラン「悠樂軒」を訪れた黒崎大三郎(遠藤憲一)に直接、短編小説を手渡した。一方、木村保(金子大地)は珠と同居して1年以上。学業と新聞配達にも励む。下宿の大家・三好辰五郎(赤堀雅秋)と娘・三好マキ(中村優子)から「恋仲に発展したのか」と問いただされ…という展開。
黒崎は「『首都公論』は今や文芸界最高峰の雑誌だ。その編集長であるこの私に、素人の原稿を読めと。抱えている一流の作家など脇へやってでも読めと、そう言うんだね」。あきらめない珠に「大した度胸だ。預かろう」と笑った。
数日後、黒崎は珠に「稚拙。つまらん」と原稿を突き返した。
「テーマが曖昧で絞り切れてない。テーマに対する君の立ち位置が不明瞭なんだ。是か非か、いまひとつはっきりせん。どうせならもっと、腹の中を見せなさい!それができんなら、もうやめた方がいい」「気が向いたら、また持ってくるといい」「カレーライス1つ、それとエビフライ3つ、あとオムレツを1つ。よく焼いてくれ。それと食後に…」
秋山格之介(高良健吾)は落ち込む珠に「スパッと斬られたかい」「それはよかった。こき下ろされて傷つくのは、自分を信じた証拠だろう。自分を信じられない人間にいい小説は書けない。だからね、何があっても自分を手放しちゃいけないよ。いつか君の力になる」とアドバイスした。
珠は「悠樂軒」で作家志望の青年・左良太(北野秀気)と知り合う。珠の帰りが遅く、保は心配した。
SNS上には「保は優良物件すぎる」「兄さま止まりな気がしてならない」「清い関係のまま、早く別れる方がいい」「編集長、見込みがあるからこそのアドバイス」「エンケンの言葉の裏に“何か”を感じた厳しくも優しい井浦新の目」などの声。保への心配も広がった。
――出演決定時の心境について。
「ホームドラマ自体が好きなので、また朝ドラに出たいと思っていました。でも1984年に『ロマンス』、2010年に『てっぱん』、2017年に『わろてんか』と3作出て、ヒロインの父親役も続いたので、もう来ないかなと。流石に今回は父親役ではありませんでしたが、黒崎という個性の強い役が来てうれしかったです。NHK大阪放送局に来たのは『わろてんか』以来、約10年ぶり。全部覚えているようで、やっぱり忘れちゃってました(笑)」
――役柄について。
「黒崎は最初から大食いのシーンがあって、大きな声でよく笑うダイナミックな人。その勢いを出しつつ、作家の才能を見抜く能力に長けた鋭さや心の中の純度の高さというギャップを表現できたらいいなと思いました。きっと1行読めば作品の良し悪しが分かるほど、研ぎ澄まされた感性を持っているのでしょうね。だから熱意を買って受け取った珠の原稿のさわりを読んだだけで、才能を感じたはずです。原石に出会うことが黒崎にとって一番の喜びだろうし、当時は女性作家もあまりいないので、実は誰よりも珠に期待しているのが厳しい言葉の中に感じられました」
「僕自身は黒崎のように真っすぐグイグイ来る人、好きです。ズバズバ言うけれども、アイデア豊富な編集長だから、作家たちもエネルギーがもらえて霧が晴れるような気分になるんじゃないかな。ただ『首都公論』がいい結果を生んでこられたのは、直感でワッと行くタイプの黒崎と冷静な分析ができてきっちり理論で後押ししてくれる副編集長・山中の二人三脚だったから。山中役の井浦くんとは過去に一度共演していますが、常に清潔感のある人です。穏やかな物言いの中に力があるところが昔から変わらなくて素敵ですね」
――印象的なシーン。
「一番初めに珠に原稿の感想を伝えるシーン(第24回)は大事に演じたかったし、自分の中で探って探って探りまくったとても印象的なシーンです。珠自身もあそこまで強く言われるとは思っていなかっただろうし、本当にこれでいいかな、でもやっぱりこれだなと思ったシーンですね。黒崎はストレートに凄いと言わず、敢えて足りないものを見つけて本人に思い切りぶつけます。まずはここが黒崎という役の大きなポイントだと思って演じました」
――視聴者へのメッセージ。
「珠ほど波乱万丈な主人公は、朝ドラになかなかいないと思います。それゆえのテンポの速さも『ブラッサム』の楽しみの一つだろうし、当時としては相当勇気のある生き方をしているところが最大の見どころじゃないかな。朝ドラの新風という感じがします。この新しい風を是非とも楽しんでほしいです。黒崎はとにかく生き急いでいる人ですが、仕事に対しては物凄く真っすぐ。これはどんな時代にも通じる大切なことなので、ご覧の皆さんにも伝わるといいなと思います。朝にしてはクセの強い役ですが、そういった部分も含めて楽しんでもらえたらうれしいです」
2026年10月29日 08時47分