俳優の役所広司(70)が主演を務めるNetflixシリーズ「俺のこと、なんか言ってた?」(世界独占配信中)に、俳優の平田満(72)小日向文世(72)津田寛治(61)が本人役で登場し、生瀬勝久(66)古田新太(60)はカメオ出演していることが発表された。いずれも事前告知なしのサプライズ出演。また、俳優の仲野太賀(33)がナレーションを担当していることも明らかに。企画・プロデュースの磯山晶氏に制作・撮影の舞台裏を聞いた。
<※以下、ネタバレ有>
社会現象を巻き起こした2024年1月期のTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」と26年1月のスペシャルに続き、脚本・宮藤官九郎氏と磯山プロデューサーのゴールデンコンビが再タッグを組んだ注目の最新作。今月22日に配信スタートを迎えると、「最高傑作」「一気見した」「笑って泣いた」などと絶賛の声が続出。大きな反響を呼んでいる。
ロンドンの舞台公演で成功を収めた大物俳優・高瀬川玄(役所広司)がパンデミック明けに2年ぶりの帰国を果たすと、世間からも家族からも完全に忘れ去られていたことから始まるヒューマンコメディー。役所はサウナの熱波師からドラマのエキストラ、シェークスピア劇の「リア王」まで“怒涛の七変化”を披露。すべてを失った“承認欲求の塊”の男がゼロから再起を図る姿を描く。
平田は高瀬川の先輩、津田は“ある作品”で高瀬川の代役を務めるという設定。磯山氏は「平田さんの“コレがコレなんだって?”という『蒲田行進曲』(1982年公開の映画)へのオマージュ台詞は『ごめんね青春!』(2014年10月期のTBS日曜劇場)でも言っていただきましたが、宮藤さんの大好物で(笑)、今回も高瀬川を救う決め台詞になっています」と起用の背景を語る。
生瀬と古田は、高瀬川のライバル・壬生大也(濱田雅功)の主演ドラマに出演。撮影現場をかき回し、その作品でディレクターデビューするベテラン助監督・川島一機(松山ケンイチ)の悩みの種となる。
「役所さん、濱田さん、生瀬さん、古田さんが揃うシーンは流石にスタッフ一同、緊張しまくりでした。特にその回を演出した渡部(篤史)監督も若手なので、“リアル川島”の気持ちだったと思います。実際には、かき回したりせずに、どんどん面白いアイデアを出してくださって、爆笑しながら撮影する楽しい現場でした」
小日向も高瀬川と同じく、周囲から忘れられた存在という設定。物語終盤へのキーパーソンを託した。
小日向の起用について、磯山氏は「かなり初期の構成案の段階から、小日向さんのお名前が書いてありました」と宮藤氏による“指定”だと振り返った。
宮藤氏の作劇は“固有名詞のパワー”が特長の一つ。例えば「不適切にもほどがある!」の昭和パートには毎回、「金妻(金曜日の妻たちへ)」「ジェームス・ブラウン」「大江千里」などの懐かしのワードが次々に登場。昭和世代の視聴者には“説明不要”で、一気に当時へタイムスリップ。抜群のチョイスが爆笑やノスタルジー、共感を呼んだ。
今回も架空のキャラクターではなく「小日向文世」という実在の人物が高瀬川と同じ境遇に置かれることで、ドラマに深みと広がりを与える。津田も今年3月に公開された主演映画「津田寛治に撮休はない」(監督萱野孝幸)よろしく、高瀬川の代役を引き受ける説得力がある。
磯山氏も「固有名詞は、宮藤さんが“時代というものを描くために必要不可欠”とおっしゃるこだわりの一つ。毎回、まずは自由に書いていただいています。小日向さんは設定が複雑すぎて、事務所さんやご本人に説明しづらかったですし(笑)、とてもご多忙な時期で、脚本を成立させるのは大変でしたが、無事に撮ることができてホッとしました。小日向さんは役所さんとも仲良しで、2ショット写真を撮られたり、現場で終始ニコニコされていたのが印象に残っています」と明かした。
仲野は高瀬川の密着ドキュメンタリー番組の語りとして、声だけでなく第1話にも登場。21年に公開された役所の主演映画「すばらしき世界」(監督西川美和)で共演したのが縁となった。主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」はクランクインしていたが、合間を縫って今作の現場に駆けつけた。
2026年10月28日 07時07分