日本野球機構(NPB)は30日、フリーエージェント(FA)権を行使した選手の移籍に伴う「人的補償制度」を、来オフから撤廃することを発表した。代替策として「翌年のドラフト会議の指名権」か「金銭」を、獲得した球団が旧所属球団に譲渡する。29年のシーズン後に制度を継続するか見直すか、改めて協議する。93年オフに移籍活性化を目的に導入されたFA制度が、大きな改革期を迎える。
NPBは人的補償を巡り、撤廃を求める日本プロ野球選手会と協議を継続してきた。10月に入って新制度について両者で同意し、27日までに12球団も了承。人的補償が来オフから撤廃されることが決まった。
代替策として保科求己法規室長は「(旧所属球団が)最初からドラフト指名権を選択するか、金銭補償を選択するかという局面になる」と説明した。「ドラフト指名権の順位」と「金銭の額」は、いずれも移籍する選手の年俸に応じて決まる。
Aランク(所属していた球団内の日本選手で上位1~3位)「ドラフトの2位指名権」か「年俸の80~130%を目安とする金銭」を旧所属球団が選択する。
Bランク(現行より2人減の同4~8位)4~7位は「3位指名権」か「年俸の60~100%目安」。8位は年俸の60%の金銭に限定され、指名権は移らない。
Cランク(同9位以下) 従来通り補償が不要。
ドラフト指名権か金銭補償かは旧所属球団が選択し、一度決めた選択を途中で変えることはできない。ドラフトではFA選手獲得球団のウエーバー順で、旧所属球団が指名するルール。金銭補償額は両球団が協議して決めることとなり、保科法規室長は「(金銭補償の場合は)目安を大きく超えることのないようにしていただきたい」とした。
また、Aランクの選手を2人もしくは、Bランクの選手を2人同時に1球団が獲得した場合はどうするか、今後検討を進めていく。
ある球界関係者は「人的補償があるから、FA移籍が暗いニュースになる」と言い、ネーミングそのものが現代社会の感覚と合致していないという声もあった人的補償。撤廃されることで移籍市場は活性化されるのか。MLBにもドラフト指名権を譲渡する同様のルールがある。NPBでは10月末の決議だったため、時間的猶予を持って来オフから施行される。 (神田 佑)
2026年10月31日 07時10分