FA制度は93年オフに移籍活性化を目的に導入された。同時に人的補償制度もスタートし、今年で34年目を迎える。過去、多くのFA宣言した選手が移籍してきた中、人的補償として移籍した選手も数多く生まれた。
導入当初は移籍が活性化すると好意的に受け止められた半面、制度が定着するに連れて人的補償が「犠牲」的な側面で捉えられるようにもなった。選手会側が人的補償の撤廃を求める要因の一つとなり、08年オフからFA宣言選手をA、B、Cランクに分けて人的補償はA、Bランクの選手獲得の場合だけが対象となった。狙いはよりFA移籍しやすくするためだったが、それでも「犠牲」のイメージは残っていた。
その人的補償が27年オフからなくなる。大きな改革と言えるのは確かだが、果たしてFA移籍がより容易になるのかどうか。仮にAランクの選手獲得の場合、人的補償ならプロテクト28人以外の既存の選手。新制度では翌年のドラフト2位指名権だから、旧球団がドラフト指名権を選択すれば代わりの戦力の入団は2年後であり、獲得球団は2年後のドラフト2位の新人選手を失うことになる。
FA宣言選手、獲得球団、旧球団それぞれの思惑がどう影響していくのか現時点では分からない。新制度導入後に注目したい。 (専門委員・秋村 誠人)
2026年10月31日 07時11分