俳優・横浜流星(30)が主演するTBS系新金曜ドラマ「LOST10(ロストテン)」(金曜後10・00)が、きょう16日にスタートする。北海道の登山ツアー中に起きた遭難事故「支樺岳事件」をきっかけに、10人の登場人物を軸に謎が展開する完全オリジナルのヒューマンサスペンス・エンタテインメント。脚本家の奥寺佐渡子氏と塚原あゆ子監督が取材に応じ、北海道の山を舞台に選んだ理由や、現代ならではのサスペンス作りの難しさを語った。(中村 綾佳)
同作は「最愛」「Nのために」などを手掛けた奥寺氏、塚原監督、新井順子プロデューサーが再集結した話題作。物語の発端となる山岳事故は、架空の山「支樺山」を舞台にした。塚原監督によると、山を舞台にした背景には、現代ならではのサスペンス作りの事情があった。
「事故・事件が起きた時に『誰かの証言に頼らざるを得ない』という状況設定を作りたい。でも現代は防犯カメラがあらゆる場所についている世の中なので、その状況を作るのが難しいんです」
防犯カメラの映像などから事件の経緯を追える現代では、目撃者の証言だけを手掛かりに真相を探る物語を成立させるのは容易ではない。そこで、目撃者が限られ、事件の全容を知る人がいない山の中を舞台に設定。当事者の証言が食い違った場合、何を手掛かりに真相へ迫るのかが物語の鍵となる。
奥寺氏は「携帯使えないことも重要」と補足。塚原監督も「携帯電話が使えないところいうのは、今の時代ほとんどない」と応じ、通信手段が限られる山の環境も、物語を成立させる重要な要素になっているとした。
同作は、北海道で約3週間の大規模ロケを行った。撮影では、山ならではの天候にも翻弄されたという。塚原監督は、標高が高く霧が出やすい環境について「“ロスト”って感じのミストがずっとかかってました。ほぼ物が見えないような状況でした。最後の1カ月ぐらいはずっと雨でした」と回想。ところが、小栗旬演じる保険調査員・直の単独シーンだけ見事に晴れたという。「小栗さんに“雨女だ”と責められましたが、無事に撮りきることができました」と笑いを誘いつつ裏話を打ち明けた。
映像には、北海道の雄大な自然や動物も反映されている。塚原監督は「クマが出なくてよかったです」と安どの表情を浮かべた。
防犯カメラやスマートフォンが普及し、事件の証拠を得る手段が増えた現代。あえて目撃者も通信手段も限られる山を舞台にすることで、証言の食い違いや、人によって異なる真実の見え方を浮かび上がらせる。「すべてを疑え」がテーマの「LOST10」は、現代ならではのサスペンスの難しさを逆手に取った作品となりそうだ。
2026年10月16日 18時00分