ナ・リーグ優勝決定シリーズでドジャースを4連勝で退け、44年ぶり2度目のワールドシリーズ(WS)進出を決めたブルワーズのマット・アーノルドGM(47)が、スポニチ本紙の単独インタビューに応じた。スモールマーケットながら勝ち続ける強さの秘密に言及し、日本球界への関心や今オフの訪日計画も明かした。(取材・構成=柳原 直之)
――44年ぶり2度目のWS進出、おめでとうございます。スモールマーケットの球団でも勝ち続けられる理由は?
「優秀な人材を適切な場所に配置することだ。選手の才能を見極め、獲得し、最大限に能力を引き出す。スカウト部門とマイナー、メジャーのコーチ陣の連携は素晴らしい。選手の獲得から育成まで、多くの時間と労力をかけてきた。その積み重ねが結果につながっている」
――ドジャースのような資金力のある球団と違い、しなければならないことは?
「我々は違う野球をしなければならない。わずかな可能性も無駄にできない。ドジャースも素晴らしい取り組みをしているからこそ、時には違う方法で得点する必要がある。投手の育成、守備など、勝利に必要なあらゆる要素を組み合わせる。球団全体の仕組みや過程に、どこにも弱点がないようにすることが大切だ」
――ポストシーズンでチーム別トップタイの3度の犠打。得点につながっている。
「多くの人の考えが組み合わさっているが、基本はパット・マーフィー監督から始まる。チームの全ては、監督がどんな野球をしたいかが出発点だ。細かなプレーを高いレベルで確実に遂行しなければ、我々は勝てない。春季キャンプから徹底してきたことが結果に表れている」
――レイズ時代、現ドジャースのアンドルー・フリードマン編成本部長は編成トップ、あなたはプロスカウト部長としてともに働いた。
「彼には本当に多くの恩がある。私のキャリアを築く上で、大きな助けになってくれた。10年近く一緒に働いたが、野球界最高の人物の一人だと思う。レイズでもドジャースでも、その実績が証明している」
――現在の関係は?
「素晴らしい関係だ。ナ・リーグ優勝決定シリーズ期間中も会って直接話した。世界で最も好きな人の一人だ。アンドルーについても、その人柄についても、良いことしか言えない」
――日本球界への関心は?今オフは阪神・佐藤輝、日本ハム・伊藤、西武・平良らのメジャー移籍が取り沙汰されている。
「もちろん知っている。本当に素晴らしい選手たちだ。その他にも日本には優秀な選手が非常に多い。私も以前訪れたが、世界で特に好きな場所の一つだ。日本とミルウォーキーのつながりを深め、日本選手を迎えられるようになればと思っている。球団の力になるなら、誰であっても可能性を排除しない」
――今冬、日本へ行く予定は?
「このオフに訪日を計画している。以前から何度も話してきた。本当に楽しみだ」
≪本紙MLB担当・柳原記者が見た強さ 資金力ではなく組織力≫資金力ではなく組織力で王者を倒した。ブルワーズの今季年俸総額は30球団中19位の1億4350万ドル(約227億円)。2位ドジャースの3億3800万ドル(約534億円)の半分にも満たない。
それでもメジャー最多の103勝を挙げ、ナ・リーグ優勝決定シリーズでは4連勝。剛腕ミジオロウスキーが注目されがちだが、同シリーズMVPの一塁手バウアーズは年俸270万ドル(約4億2700万円)。年俸95万ドル(約1億5000万円)で1型糖尿病を抱えるミッチェルは第4戦で決勝弾を放った。
色川冬馬国際スカウトは、球団内に「Underdog(挑戦者)」の精神が浸透していると明かし「スカウトが1%の可能性を発掘し、マイナーがその1%を伸ばす」と説明する。小さな可能性を組織全体で磨き上げ、球団初のWS制覇を目指す挑戦を支えた。
2026年10月18日 02時38分