昨季ナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたパイレーツのポール・スキーンズ投手(24)が24日、東京都内の明治神宮外苑室内球技場で行われた大リーグ機構(MLB)主催の野球教室に参加した。
来日に合わせた特別企画で、少年少女野球大会「MLB CUP 2026」に参加した小学6年生以下の投手約50人を対象に開催。メジャーを代表する剛腕が、日本の子供たちに直接指導する貴重な機会となった。
以下、質問コーナーや野球教室終了後の一問一答。
<野球教室での一問一答>
――野球をする上で最も大切なことは?
「一番大切なのは、野球を楽しむことだと思う。一生懸命プレーして、基本を大切にして、楽しんでほしいね」
――投手として上達するためには、何が大切?
「投手にとって一番大切なのは、いい球を持っていることと、自分の投げたいところに投げられることだと思う。君たちくらいの年齢なら、強い球を投げること、そしてストライクを投げることが大切だ。もし強い球を投げられるけど、狙ったところに投げられないなら、狙ったところに投げられるようになるまで、強い球を投げ続けてほしい。それは空間認識能力に関係している。練習を重ねることで、自分の手がどこにあるのかを理解できるようになるんだ。だから、繰り返しボールを投げてほしい。そうすれば、いずれ自分の手が空間の中でどこにあるのかが分かるようになる。大切なのは強い球を投げて、なおかつ全ての球種を自分の狙ったところに投げられるようになることだね」
――球速を上げるためには、何をすべき?
「そうだね。僕がウエートトレーニングを始めたのは14、15歳の頃だったと思う。11歳くらいだと、まだ自分の体について理解している途中なんだ。成長期でもあるし、自分の体が空間の中でどう動くのかを学んでいる段階だと思う。だから、いろいろなポジションでプレーして、できるだけ運動能力を高めてほしい。それから2、3年がたてば、ウエートトレーニングを始めたり、体重を増やしたり、体を大きくしたりする段階になると思う。そうなれば、野球も少し変わってくる。球速などについて考え始めてもいい。でも、君たちの年齢では、とにかく運動能力を高めることに集中してほしい。できるだけ運動能力の高い選手になることだ。それができれば、2、3年後には自然と結果につながってくると思う。それから覚えておいてほしいのは、11歳の時点ですごく優秀な選手である必要はないということだ。大切なのは18歳、20歳、25歳になった時に素晴らしい選手になっていることなんだ。君たちの年齢で、そういう長期的な視点を持つのは難しいと思うけど、ぜひ覚えておいてほしいね」
――試合前には、どんな準備やメンタル面の調整をしている?
「メンタル面の準備だね。それは長い時間をかけて身につけていくものだと思う。いろいろなことを試して、失敗も経験しながら、自分に合ったルーティンを見つけるんだ。何が自分に合っているかを知るには、まずいろいろ試してみないといけない。僕の試合前の準備は、かなり退屈なものだよ。スカウティングの準備をして、それから試合前に必要な体の準備をする。そうした積み重ねが、自分に自信を与えてくれるんだと思う。他の選手には日記を書く人もいるし、本を読む人もいる。試合前にテレビゲームをしたり、テレビや映画を見たりする選手もいる。結局は、どうすれば自分が集中できる状態に入れるかということだね。だから、君たちにもいろいろ試して、自分に合った方法を見つけてほしい。呼吸法なんかもあるね。僕の場合は本当に地味なんだ。試合の5、6時間前には球場に来て、投球の準備を始める時間まで過ごしている。だから、特別なことをたくさんやっているわけじゃないんだ」
――球速と制球力のどちらを重視すべき?
「僕が子供の頃、君たちと同じくらいの年齢だった時は、球速がそれほどある投手じゃなかった。でも、ストライクを投げることはできた。プロの世界に入ると、本当にいろいろなタイプの投手がいる。球は速くないけど、制球力で打者を抑える投手もいる。球が速くて制球力もある投手もいる。球は速いけど、どこに行くか分からない投手もいる。球団が目指しているのは、投手の球速を上げることだと思う。そしてストライクも投げられるなら、それは素晴らしいことだ。そうなればメジャーリーガーになれる。僕の考えでは、君たちくらいの年齢なら、そういう方向で取り組むのが一番いいと思う。若いうちは、自分の体をできるだけ効率的に動かせるようにすることが大切だからね。まずはバイオメカニクス(体の動きの仕組み)が重要なんだ。若い時に何かを無理にやろうとすると、体の動きを簡単に崩してしまうことがある。例えば、ストライクを投げることばかり考えていると、体の動きが制限されてしまう。だから僕は、できるだけ自由に体を動かせるようにするべきだと思っている。そうすれば、自分の体が空間のどこにあるのかという感覚も身についてくるし、狙ったところにボールを投げる能力も備わってくるんだ。要するに、自分の体が空間の中でどう動いているのかを理解することだね。それには長い時間がかかる。若い時には、なかなか理解するのが難しいと思う。いいプレーをしたいし、結果を出したいからね。でも、もっと長期的な視点で考える必要があるんだ。質問の答えになっているといいけどね」
――最後に、参加した子供たちへメッセージを。
「今日はみんな、僕を迎えてくれてありがとう。君たちが投球する姿を見ることができて、本当に良かった。一緒に時間を過ごせて楽しかったよ。みんなが投げる姿を見るのは楽しかったし、僕にとってもうれしい時間だった。今日は本当にありがとう。これからも野球を大好きでいてほしい。野球を楽しみ続けてほしい。一生懸命プレーして、チームメートと一緒に楽しんでほしいね」
<イベント後の取材対応※イベントに関する質問のみ>
――今回の野球教室に参加した感想は?
「日本のさまざまな選手を見る機会になったし、ここにいる子供たちにも会えた。本当に素晴らしい機会だったよ。参加できて良かった」
――日本の子供たちと交流することには、どんな意味がある?
「こうして日本に来られたのは素晴らしい機会だし、来られて本当に良かった。野球教室に参加して、たくさんの子供たちに会えたこともうれしかった。自分もあのくらいの年齢の頃、メジャーリーグで憧れていた選手たちに会ったことを覚えている。だから、今回のように国や文化の違いを越えて交流できるのは、とても貴重な機会だと思う。ここにいる人たちはみんな野球が好きだからね。本当に素晴らしいことだよ」
――今回、日本を訪れたいと思った理由は?
「以前から日本について素晴らしい話ばかり聞いていたので、ぜひ来たいと思っていた。今回のイベントも理由の一つだったけど、少し観光もしてみたかったんだ。本当に素晴らしい国だね。アメリカで出会った日本出身の人たちは、みんなとても親切で礼儀正しかった。そして実際に日本に来てみても、まさにその通りだった。街はとてもきれいだし、食べ物もおいしい。来られて本当に良かったよ」
――日本ではどんな観光や食事を楽しんだ?
「街を歩いているだけでも楽しいよ。今朝はいくつかのお店に行ったし、お寺にも行った。とても良かったね。それから、お相撲さんも見かけたよ。興味深かったし、楽しかった。食事では握りずしを食べたけど、すごくおいしかった。サーモンやマグロなど、いろいろな種類を食べたよ。和牛も食べたけど、日本の和牛は本当においしいね。今のところ、おいしくなかった食べ物は一つもないよ」
2026年10月24日 20時16分