俳優・堺雅人が主演を務めるTBS系日曜劇場「VIVANT」第2シーズン第13話(第23話)が1日に放送され、番組の冒頭と最後に作品がフィクションであることを強調する注意書きが表示された。異例のテロップの背景には、劇中に登場する中国の描写を巡る批判の高まりがある。
最終回直前となる重要回だった第13話。冒頭、黒い背景に白い文字で「このドラマはフィクションです」とした上で、「実在する人物・団体・事件・歴史的事象とは一切関係ありません」と説明するテロップが表示された。さらに「劇中に登場する国や地域に関する描写は創作上の設定で暴力や国家間の対立を助長する意図は一切ありません」と記されていた。また、ラストシーンでも左下に注釈テロップが表示された。
同作を巡っては、劇中の描写が中国側で批判を浴び、サンリオとのコラボレーション企画が全面中止となる事態に発展していた。
問題視されたのは、10月4日放送の第2シーズン第19話。劇中に登場する中国系の秘密情報組織「シンシー」に拘束された別班員が、右手の指を切断されるなどの拷問を受ける場面が描かれた。作中の国や組織は架空の設定だが、中国のSNSなどで批判が広がり、中国メディアも描写を問題視していた。
こうした中、サンリオは10月29日、「VIVANT」とサンリオキャラクターズのコラボレーションについて、すべての取り組みや今後の展開、プロモーション活動を中止すると発表。コラボに関連するコンテンツに「サンリオの企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断した」と説明した。中国法人も前日の28日に中止を発表していた。
コラボは第2シーズンの放送前となる6月26日に発表され、7月3日から関連商品の販売や予約が始まっていた。東京駅キャラクターストリートでは期間限定ショップも開催されており、開始から約4カ月が経過してからの全面中止は大きな反響を呼んだ。
今回の冒頭テロップは、こうした一連の批判やコラボ中止などの騒動を受けたものとみられる。怒涛の展開の中でも「VIVANT」の軸として描かれているのは、登場人物の「人間ドラマ」だ。
制作側は特定の国や地域を描く意図はなく、あくまで「創作上の設定であること」や、暴力や国家間の対立を助長する意図がないことを、視聴者に改めて明示した形となった。
2026年11月02日 11時30分