◇第103回東京箱根間往復大学駅伝予選会(2026年10月17日 陸上自衛隊立川駐屯地~国営昭和記念公園=21.0975キロ)
第103回箱根駅伝(来年1月2、3日)の予選会が行われ、一橋大の有川紘樹(4年)が同大史上初めて箱根路を走ることが濃厚となった。チームは45校中41位で敗退したが、個人では1時間3分43秒のタイムで全体79位。21位以下のチームの中では日本人上位4番目に食い込み、通過できなかった大学の選手で構成される関東学生連合チームに入る見込みとなった。
「序盤は多分、全体的にけん制していたので、最初の集団で(走りを)進められていた。結構高揚して、“ここで走れているんだ”と思っていた。(14キロ地点の)公園に入るところで集団が動くのは(事前に)分かっていたけど、対応するところで足を使ってしまい、公園内ではだいぶ苦戦した」。終盤に課題は残りながらも奮闘したレースを振り返った。
文系の中でも最高峰の一つとされる一橋大。所属も異彩を放つが、歩んできた経歴も異色だ。都立武蔵高時代までは野球部でキャプテンだった。あるとき、陸上部から声をかけられた。「部の人が少ないから、都高校駅伝に出てくれないか」。元々、長距離走は得意。了承して練習を開始した。次第に陸上競技に興味が沸くようになった。
当時は新型コロナ下だった。「なかなか部活を思いきりできる感じはなかったので、(午後)5時か6時くらいまでしか野球部の活動ができなかった」。部活を終えて帰宅すると、5キロメートルほど走り込む日々が続いた。夕ご飯を食べ、勉強し、就寝は午後10時から11時ごろ。規則正しい生活の中で、効率よく文武を両立させた。
一橋大の法学部に合格すると、一念発起した。「(高校限りで)野球はいいかなと思って、大学では心機一転(陸上に)進もうと思った」。ちなみに学業の専門は「国際関係論」で、卒論のテーマは「台湾の対中国政策」。ペンも足も走らせ、本格的に競技を始めてからわずか4年で箱根路にたどり着いた。
大学は予選会が行われた立川市に近い、国立市に位置する。地域の人からの「一橋大学、頑張れ!」というエールも背に受け、最後の予選会を駆け抜けた。初めての箱根へ、「まずは一橋大学を関東学生陸上界に知っていただきたいというのと、一橋大学として初なので、自分だけでなくいろんな先輩方の思いを背負って走りたい」と有川。元球児の秀才ランナーが歴史を刻む日が近づく。
2026年10月17日 16時19分