◇第103回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会(2026年10月17日 陸上自衛隊立川駐屯地~国営昭和記念公園)
45校が参加して行われ、21年ぶりに予選会に回った東洋大が、10時間31分30秒で首位通過し25年連続85回目の本大会出場を決めた。宮崎優(3年)が1時間1分5秒で日本人トップの全体4位とけん引した。昨年11位で涙をのんだ法大は10位に滑り込み、2年ぶりの本戦切符を獲得。法大までの10校が来年1月2、3日の本大会に出場する。
1秒を削り出すように、東洋大の選手が次々とフィニッシュラインを駆け抜けた。最初に飛び込んだのはエースの宮崎だ。予選会の日本人史上最速を更新する1時間1分5秒で走破。17キロ過ぎのスパートで東農大・前田を振り切り、日本人最上位でゴールした。
9番手までが全体で100位以内に入り、2位・中央学院大に約2分差をつける堂々のトップ通過。主力の欠場や木村隆晴(2年)が8キロ付近で転倒するアクシデントにも動じなかった。宮崎は「東洋として久しぶりの予選会でドキドキした部分もあった。チーム、個人としっかり目標達成できた」と満足げ。就任18年目で初めて予選会に臨んだ酒井俊幸監督は「ホッとした。ようやく箱根駅伝の監督として一通り学んだ気がします」と口元を緩めた。
前回の箱根駅伝では14位に沈み、連続シードが20年で途切れた。“新山の神”柏原竜二らがいた黄金期を支えたスローガン「その1秒をけずりだせ」の精神が薄れかけていた。「もう一度強い鉄紺にしよう」。総合優勝4度の強豪は「原点回帰」を掲げて再出発。全員が同じ方向を向くようになると、自然と練習に活気が出てきた。1秒を削り出す姿勢は寮生活にも表れ、消火器や照明の隅にあるほこりも見逃さない徹底ぶり。酒井監督が「失ったものも多いけれど、新たな気付きも大いにあった半年だった」と言うように、失意からはい上がる時間は無駄ではなかった。
本戦で2区を志願する宮崎が「ここは通過点。もっと強い東洋を取り戻したい」と言えば、酒井監督は「もう一度、高いところの景色を見たい」と視線を上げる。シード権返り咲き、その先へ。鉄紺復活ののろしが、秋の立川で上がった。
2026年10月18日 06時23分