メジャー30球団で最も市場規模が小さく、選手総年俸も下位半分。それでもブルワーズは2年連続でメジャー最高勝率を記録し、過去9年間で8度目のプレーオフ進出を果たした。今季はドジャースをリーグ優勝決定シリーズで4連勝で退け、1982年以来44年ぶりのワールドシリーズ進出を決めた。AP通信は17日、こうした成功を支えてきた球団の巧みな補強戦略を特集した。
ブルワーズの特徴は、主力選手がFAになる前にトレードで放出し、見返りとして獲得した若手を育てることだ。2022年には守護神ジョシュ・ヘイダーをパドレスへ放出。当時は失策と批判されたが、交換要員のロバート・ガッサーは今ポストシーズンで9回1失点と活躍している。さらに、このトレードで獲得したエステウリー・ルイーズを使い、同年12月には捕手ウィリアム・コントレラスを獲得。コントレラスは今ポストシーズンで打率.367、OPS1.157を記録している。2024年にはFAまで残り1年となったサイ・ヤング賞右腕コービン・バーンズをオリオールズへ放出し、内野手ジョーイ・オルティスと左腕DL・ホールを獲得。両選手とも今季の戦力となった。
一方、他球団で評価を落とした選手の再生にも成功している。2023年にヤンキースから獲得したジェイク・バウアーズは今季OPS.874を記録し、リーグ優勝決定シリーズのMVPに選ばれた。昨年6月にホワイトソックスから獲得したアンドリュー・ボーンも、移籍後168試合でOPS.849を残している。
ドラフトと育成も強さの源泉だ。2022年ドラフト2巡目で指名した剛腕ジェイコブ・ミジオロウスキーは、今季のサイ・ヤング賞最有力候補に成長。2020年ドラフト1巡目のギャレット・ミッチェルも、度重なる故障を乗り越えて今季145試合に出場し、リーグ優勝決定シリーズで2本塁打を放った。2022年に編成本部長デービッド・スターンズ、翌年に監督クレイグ・カウンセルが去った際には、黄金期の終焉も予想された。しかし、球団は内部昇格でマット・アーノルドを編成本部長、パット・マーフィーを監督に据え、むしろ強さを増した。アーノルドはジャクソン・チョーリオら有望株とメジャーデビュー前に長期契約を結び、マーフィーは2年連続で最優秀監督に選ばれた。
資金力で勝る球団と同じ方法では戦わない。選手の価値を見極め、放出する時期と獲得するタイミングを判断し、育成によって戦力を補充する。AP通信は、そうした一連の判断の積み重ねが、ブルワーズをワールドシリーズ進出へと導いたことを浮き彫りにしている。
2026年10月18日 07時22分