MLは12月1日(日本時間2日)に現行の労使協定(CBA)が失効。ロックアウトが始まる見通しだ。そしてその期日前に11月のフリーエージェント(FA)市場が活発化する可能性がある。
10月22日、米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のアンディ・マカロー記者が報じた。注目されるのは、今オフ最大のFA選手、タリク・スクバルの代理人を務めるスコット・ボラス氏の発言。「多くの球団にとって、新しい労使協定が成立した後よりも、今のうちに選手と契約する方が明らかに有利です。現在の方が自由に動ける。後から状況に対応することもできます。今なら欲しい戦力を獲得できるのです」。
今回の労使交渉では、オーナー側が1994年以来となるサラリーキャップ制度の導入を提案。5月には2027年の球団年俸総額について、上限2億4530万ドル(日本円約384億円)、下限1億7120万ドル(日本円約268億円)とする案を提示した。さらに6月には、他球団から獲得するFA選手の契約を最長5年、総額2億200万ドル(日本円約316億円)に制限する案も示している。
これに対し、選手会はサラリーキャップを受け入れる姿勢を見せてはいない。ただ、新制度の内容次第では、現在のような超大型契約が結べなくなる可能性がある。スクバルは今季途中にタイガースからドジャースへ移籍したサイ・ヤング賞2度受賞の左腕。山本由伸が持つ投手史上最高の保証総額3億2500万ドル(日本円約508億円)を更新する可能性があり、ある球団幹部は10年総額4億ドル(日本円626億円)という契約を仮定として挙げた。「今はMLBもそうした契約を止められません。しかし、新しい労使協定の下では不可能になるかもしれません」と同幹部は指摘する。
ボラス氏は、制度変更を求めるオーナーと今のルールで大型契約を交渉する矛盾について問われると、こう答えた。「才能がものを言う世界では、ルールができるまではルールは存在しないのです」。前回2021年のロックアウト直前にも大型契約が相次いだ。今回も球団と選手の双方が12月1日を期限と捉えれば、11月は異例の契約ラッシュとなるかもしれない。
2026年10月23日 08時47分