ワールドシリーズで対戦するブルワーズとレイズは、いずれも高度なデータ分析を駆使する球団として知られている。しかし、両球団の成功を支えているのは、最新テクノロジーだけではない。
実は球界有数の大規模なスカウティング組織を持ち、経験豊富なベテランスカウトを重視している。10月22日、米野球専門誌「ベースボール・アメリカ」電子版が報じた。
同誌によると、今季開幕時点でレイズのスカウティング部門には84人が在籍し、メジャー30球団中5位。ブルワーズも78人で10位タイだった。経費削減のためにベテランを減らし、経験の浅い人材に切り替える球団もあるなか、両球団は経験豊富なスカウトの採用と雇用維持に積極的に投資している。
ブルワーズの国内・国際スカウティング担当副社長、ジェームズ・アームストロング氏は「成功の秘密の方程式は何かとよく聞かれます。まるで数学の問題を解くようなものだと思われているのでしょう」と語る。そのうえで「大切なのは現場での活動の質です」と説明した。
特に両球団が重視しているのが、プロ選手を対象としたスカウティングだ。レイズはメジャー最多タイとなる19人のプロスカウトを抱え、3Aからマイナーの最下層まで幅広く調査している。ドミニカ共和国にはサマーリーグを専門に担当するスカウト3人を配置。レイズのケビン・アイバックGM補佐は、こうした徹底した現場調査がフニオール・カミネロをトレードで獲得できた要因のひとつだったと説明している。
一方、ブルワーズはプロとアマチュアのスカウトの区別を撤廃した。米国内のスカウト31人全員がアマチュアだけでなくプロ選手も評価し、国際スカウト29人も両方を担当する。異なるレベルの選手を幅広く見る経験が、スカウトの評価能力を高めるという考え方だ。
興味深いのは、スカウティングとデータ分析の両部門で人員規模がメジャートップ10に入る球団が、ブルワーズ、レイズ、ヤンキース、ドジャース、フィリーズ、ブルージェイズの6球団しかないことだ。
この6球団はいずれも2020年代の勝利数で上位10球団に入っている。アームストロング氏は「いまだにスカウト対データという二項対立で語られることには笑ってしまいます。データ革命によってスカウトはむしろ優れた仕事ができるようになりました。しかし、組織を動かしているのは、今も昔ながらの地道な努力なのです」と強調した。
2026年10月23日 08時46分