ナ・リーグ王者ブルワーズとア・リーグ王者レイズが対戦するワールドシリーズ(WS)は23日(日本時間24日)、ブルワーズの本拠地ミルウォーキーで開幕する。
22日(同23日)には、前日会見が行われ、ブルワーズを1982年以来、44年ぶりのWSに導いたパット・マーフィー監督(67)が取材対応した。
シーズン中から取材陣と絶妙なやりとりを展開し「発信力」のあるベテラン指揮官。そのコメント力は、名捕手で南海、ヤクルト、阪神、楽天と複数球団で指揮を執り球界を盛り上げた野村克也氏がユーモア、哲学、ID野球を語る「ノムさん節」を思い出させる。
この日の会見では大学監督時代と現在の心境の比較を聞かれると、「その質問、もう46回くらい聞かれているよね。この2年間で46回目だ」と苦笑。会見場をなごませた。それでも質問には丁寧に対応した。
そして、レイズのことについて聞かれると「ア・リーグのことはよく知らないんだ。本当によく知らない」ととぼけながらも、「ポストシーズンの彼らの試合をチェックして、心からの敬意を抱いた」と実は徹底分析している節も垣間見せた。
だが、質疑応答が長くなると合間に「今は何を聞かれたんだっけ?」と真顔で反応して記者陣を驚かせる場面も。ときには取材拒否をした経緯を聞かれると、時間を気にすることなく内容を説明。自身についての世間の反応については、「私は年を取っているから多くの友人がいる。みんながメッセージを送ってくれる」とニヤリと笑った。
そしてこの日の会見の最後には、チーム力について「それぞれ役割が違うのだから、私自身も全く違う。役割に合わせて変わらなければならないんだ。コーチ陣も知っていると思うけど、私はいつもコーチたちの部屋にいた。みんなで冗談を言い合って、楽しく過ごしていた。“チェック・ゲーム”もやっていたよね。みんな知っているだろう? 私はあれには容赦しなかったけど、とにかく楽しかった。今はもう、あの部屋にはほとんど行かないし、コーチたちともあまり話さない。彼らは私のことをあまり好きではないかもしれないね。結局、役割が変われば、自分の役割を理解しなければならないということだ。その役割に対する情熱は変わらないかもしれないけど、振る舞い方は変える必要があると思う。もちろん、選手たちとの関係も大きく変わった。ただ、自分自身を偽ることはできない。私は複雑な人間ではないし、単純な人間なんだ。自分を実際以上に重要な存在に見せようとはしない。現実がどういうものか分かっているからね。この競技は選手が主役なんだ。私は恵まれているよ」とマーフィー節を全開にしていた。
国内のMLBファンにとっては、WSを楽しむとともに、68歳の「発信力」に目を向けることもお薦めする。
マーフィー監督はノートルダム大学やアリゾナ州立大学で25年以上にわたり指導し、大学野球で通算1000勝を挙げた名将。2015年にパドレスの暫定監督を務めた後、ブルワーズで大学時代の教え子であるカウンセル監督のベンチコーチとなり、23年オフに監督へ昇格した。
2026年10月23日 09時57分