◇SMBC日本シリーズ2026 第4戦 ソフトバンク4―2DeNA(2026年10月28日 みずほペイペイD)
「SMBC日本シリーズ2026」は28日、第4戦でソフトバンクが4―2でDeNAに逆転勝ちし、4連勝で2年連続日本一に輝いた。就任3年目の小久保裕紀監督(55)が、CSから負けなしの7連勝で、日本シリーズは昨年第2戦から8連勝に導いた。24年に同じ顔合わせで敗れたDeNAに雪辱。パ最多の西武と並ぶ通算13度目の日本一にけん引し、「黄金時代」を築き上げた。
ねじ伏せて雪辱した。小久保監督は現役時の背番号と同じ9度、宙を舞った。巨大戦力となった選手たちの野太い手で背中を押し上げられた。初めて、本拠地の天井を見上げて笑った。
「監督になって、ずっと目標にしていた。常にこの天井を見ながらの胴上げを日頃からイメージしていた。3年目でやっと達成できた。福岡の皆さんの前でという思いがあった。感無量」。本拠地では、9月8日の日本ハム戦から「15連勝フィニッシュ」の強さを見せた。
2年前、2連勝で迎えた3戦目にDeNAに屈して潮目が変わり、4連敗で日本一を逃した。終戦後、横浜の宿舎で指揮官は選手に謝った。「最高の形で終わることができなかった。シリーズの勝敗、負けの責任は俺にある。勝たせられなくて申し訳ない」。全員が沈黙し、重い空気が悔しさを助長した。
前回は隙をさらけ出し、つけ込まれた。敵地で2連勝し「3つ負けられる」と言葉にしてしまった。2勝3敗となった第5戦後に「“3つ負けられる”と言って3つ負けてしまった」と平静を装ったが、心中は窮地を感じ取っていた。王手をかけられてから、横浜で気迫に押し出された。
口は災いのもと。余裕を示す発言をやめた。横浜で2連勝した25日の勝利監督インタビューでもアナウンサーの“あおり”をかわした。「これで敵地2連勝スタート。2年前と同じパターン」と聞かれ、苦笑しつつ、今度は「そうですね。あと2つ勝つことだけ」と返した。本拠地に戻っての第3戦後も「とにかくあと1つ勝つだけ」と戒めた。己に言い聞かせるように数字を1つずつ減らすカウントダウンを口にした。
現場とフロントが一体となって常勝軍団を築き上げている。強力打線を底上げするため、打力にも定評がある山本祐をDeNAから獲得。正捕手のトレードはシーズン中では異例だった。高卒3年目の前田悠は長期的な育成方針に基づき、体調管理を徹底した。登板間隔を空けるなど無理をさせず、チームトップタイ12勝を挙げた。
CS、日本シリーズを通じて無敗で日本一になったのは20年以来6年ぶり2度目で、いずれもソフトバンク。日本シリーズ史上初めて3試合連続で延長戦を制し、臨んだ4戦目。先制を許しながらも、逆転で勝利した。
球界では、巨人に松井監督が就任し、中日はソフトバンクを5度の日本一に導いた工藤監督に再建を託すなど新しい風が吹く。「少し、余韻に浸ってまた来年に向けてスタートしたいと思います」。次なる目標は球団史上初のリーグ4連覇、そして3年連続の日本一。球界の先頭で「黄金期」を走る。 (井上 満夫)
○…ソフトバンクが2年連続13度目の日本一に輝いた。シリーズ連覇は14、15年、17~20年に次ぎチーム3度目で、球団別では西武の4度に次ぐ多さだ。また、13度目のVは巨人の22度に次ぎ西武に並ぶ2位で、パでは最多回数になった。4戦4勝での日本一は59年南海、60年大洋、90年西武、02年巨人、05年ロッテ、19、20年ソフトバンクに次ぎ史上8度目で、うち4度が南海時代を含めソフトバンクだ。今シリーズのスコアは第1戦から3―1→4―3→2―1→4―2。日本シリーズで全試合2点差以内の決着は57年(5試合)、60年(4試合)、21年(6試合)に次ぎ4度目となる接戦を制した日本一になった。
○…ソフトバンクが昨年の阪神第2戦からシリーズ8連勝。日本シリーズの連勝記録としては、ソフトバンク自身が18~24年に達成した14連勝に次ぎ、88~91年西武、00~02年巨人、74~10年ロッテの各8連勝に並ぶ2位タイ。8連勝以上を2度はソフトバンクが初めてだ。
○…ソフトバンクが日本シリーズで守備率10割を記録。日本シリーズの守備率10割は96年巨人、14年ソフトバンクに次いで12年ぶり3度目。過去2度は5試合シリーズで記録しており、4試合シリーズでは初めてとなった。
2026年10月29日 06時00分