俳優の柳楽優弥(36)が30日、都内で主演映画「RYUJI 竜二」(監督水田伸生)の公開初日舞台あいさつに出席した。
1983年に公開された伝説のヤクザ映画「竜二」を43年ぶりにリメークした作品。暴力団の幹部として栄華を極めた竜二が妻子のためにヤクザの世界から足を洗うが、元の世界への未練を断ち切れずに苦悩するストーリー。
この日は物語の舞台の一つである新宿でイベントを実施した。柳楽は「最初、29歳頃にオファーを受けた時はこの役はできないと思った。でも撮影を通じて、参加する意義を感じることができた。映像で描かれていない部分も想像して、みんなの思いを感じることができるのが尊い。特別な時間になった」と濃密な日々を振り返った。
「竜二」は1983年に俳優の金子正次さんが、自らの脚本、主演で製作。当時任(人ベンに峡の旧字体のツクリ)(にんきょう)映画の主流だった実録路線とは異なり、酒の配達員として堅気の世界で悩む一人の男を描いた異色の作品として高く評価された。公開からわずか8日後の1983年11月6日、金子さんは胃がん性腹膜炎により33歳の若さで帰らぬ人となった。死後、同作で金子さんは日本アカデミー賞新人俳優賞など数多くの賞を手にし、作品は伝説となっている。水田監督は「43年前の10月29日に竜二は公開されました。今朝も金子さんに手を合わせた」と偉大な先人に思いをはせた。
作品のテーマに関連して「大きな愛、忘れられない人情を感じた瞬間」についても語った。柳楽は「現場の差し入れ!」と回答。「現場はお弁当を食べることが多い。温かい物を差し入れを入れてくれると思いやりを感じる。撮影当時はスタッフの方が入れてくれた豚汁が印象に残っている」と口にした。
リメークとなった本作は企画始動からクランクインまでは約7年を要した。柳楽は「多くのことを学べた作品。俳優として鍛えられた。より自分の中で愛着も湧いたし、岐路に立つ人の背中を押せたら」と感慨深げに語った。締めのあいさつでは「人情、愛がテーマになっている。思いやり、絆、以心伝心で手を取り合うことを考えるきっかけになってもらえれば」と呼びかけた。
イベントには妻役を演じた川栄李奈(31)、舎弟の一人・直を演じた萩原利久(27)も出席した。
2026年10月30日 19時02分