将棋の第47回JT杯準決勝が31日、愛知県常滑市で指され、永瀬拓矢九段(34)が八代弥八段(32)に154手で勝利した。永瀬は11月29日、都内で指されるライバル佐々木勇気八段との決勝へ進出。7年連続7回目出場の永瀬は20年度と昨年度の2度、決勝に進出しながら果たせなかった頂点を目指す。
振り駒の結果、八代が先手になり、戦型は相掛かりへ進んだ。初出場ながら増田康宏八段、藤井聡太王将を破り、勝ち上がった八代の勢いに押される場面も長かった。111手目、敵陣へ成り込んだ馬、自陣の金の両取りに八代が放った自陣飛車。これを永瀬は「両取り逃げるべからず」とばかり、八代王の頭上を守る銀の頭へ歩を打つ。攻め合いへ誘導し、流れを引き寄せた。
永瀬は名古屋入りした前日、地元名物ひつまぶしで英気を養ったという。「(JT杯は)あっという間に進む。集中して臨みたい」。チェスクロック方式で各10分、使い切ると1手30秒未満、秒読みに入ってから1分単位で計5回の考慮時間という短期決戦を制する活力源とした。
昨年度は王将戦、名人戦、王位戦でタイトル挑戦した永瀬だが今年度はまだタイトル戦出場がない。出場の可能性を残す王将戦では、藤井への挑戦権を争う挑戦者決定リーグで伊藤匠叡王、藤本渚七段と並ぶ3勝1敗で首位タイにつける。実力者が年度後半を迎え、地力を証明してきた。
2026年10月31日 20時42分