第104回全国学生相撲選手権の最終日が1日、東京・両国国技館で行われた。Aクラス団体戦は、東洋大が8年ぶり7度目の優勝を果たした。
団体予選を3勝15点で1位通過した日体大と昨年優勝の日大が準決勝で対戦。日体大は1―2の後がない状況で迎えた副将戦、昨年の学生横綱・杉本弘樹(4年)が前日の個人戦準々決勝で敗れている伊賀慎之助(3年)を押し出して2―2の大将戦へ持ち込んだ。そしてトゥルボルド(2年)が昨年のアマチュア横綱の日大・鮫島輝(2年)をはたき込みで破り、2年ぶりの決勝進出を決めた。準決勝第2試合は、昨年準優勝の東洋大と近大が対戦。東洋大は1―2で迎えた副将戦で山岸力(4年)が近大・長内風道(3年)をはたき込み、大将戦で仲野奏人(2年)が近大・浦山将瑛(1年)を立ち合い変化からのはたき込みで破り、こちらも逆転勝ちで決勝進出を決めた。
決勝は東洋大と日体大の対戦。今年6月の東日本学生選手権決勝(日体大が5―0で勝利)と同じ顔合わせとなった。今大会のAクラス決勝トーナメントは、試合ごとに交代選手を含めた7人の中からオーダー変更可能な「フリーオーダー制」。個人戦覇者の日体大・バヤルボルド(3年)が準決勝の先鋒戦で日大・児玉颯飛(1年)に小手投げで敗れた際に左肘を負傷しており、続投するのか交代選手を起用するのか采配が注目された。その日体大はバヤルボルドを予選から一貫して決勝でも先鋒で起用。二陣にデルゲルバト(3年)、中堅にトゥルボルドと個人戦4強に入った3人を前半に固め、副将に山崎柊(4年)、大将に杉本弘樹を据えた。東洋大は、荒木関賢悟監督が「ポイントゲッター2人なので勢いをつけていきたい」と期待をかける先鋒・福原丈一朗(2年)、二陣・麻田遥人(1年)を予選から変わらず前で起用。中堅以降は相手の布陣を予測して相性の良い選手をぶつける方針を採り、読みが外れた部分もあったが中堅・仲野奏人、副将・奥田史祐(4年)、大将・山岸力で勝負に出た。
東洋大は先鋒戦で福原が右四つ両まわしを引いてバヤルボルドを寄り切って先勝。二陣・麻田はデルゲルバトに突き出しで敗れたが中堅・仲野がトゥルボルドをもろ手突きからタイミング良くはたき込んで王手をかけ、副将・奥田が立ち合い当たってすぐのはたき込みで山崎を下して歓喜の瞬間を迎えた。「後輩たちが前で2点取ってくれたので、主将の務めとして自分が優勝を決めるという強い気持ちで土俵に上がりました」と奥田。「追い込まれていたのは相手の方なので、相手の方が絶対緊張していると思った」と強い気持ちで大一番を制した。
前日に行われた個人戦ではベスト16に2人入ったものの準々決勝進出者が1人もいなかった東洋大。奥田主将は「僕たちの強さはチーム力。他大学と比べて個人戦の力では劣るけど、28人の部員全員で声を掛け合って、28人全員で3点を取るという気持ちで戦ったからこその優勝だと思います」と胸を張った。そして「インカレ優勝が夢であり、それを現実にするために日頃から稽古してきた。現実になってうれしいです」と感慨を込めた。
東洋大の優勝は、白石雅仁(現十両・東白龍)らを擁した2018年以来8年ぶり。就任3年目の荒木関監督は「それぞれ力を出せれば優勝できるかなと思っていた。勝てない時期もあったけど、3年間コツコツやってきた選手が育ってくれた」と選手を称え、表彰式後には歓喜の胴上げで宙を舞った。
団体戦ベスト8は、東日本と西日本それぞれ4校ずつ。朝日大が20年ぶり、愛知学院大が47年ぶりに決勝トーナメント進出を果たすなど西日本勢の躍進が目立った。ベスト8に西日本から4校入るのは、2010年以来16年ぶりのことだった。また、予選11位は駒大、明大、早大が1勝5点で並び、来年4月の全日本大学選抜宇和島大会と同5月の全国大学選抜宇佐大会出場権(東日本上位8校)を懸けた順位決定戦に。3校で2枠を争う白熱の試合が相撲教習所の土俵で展開され、駒大と早大がそれぞれ明大を下して来春の選抜大会出場を決めた。
▽Aクラス団体戦 準々決勝
日体大 5―0 朝日大
日大 4―1 拓大
近大 5―0 愛知学院大
東洋大 5―0 金沢学院大
▽準決勝
日体大 3―2 日大
バヤルボルド 小手投げ 児玉颯飛○
○デルゲルバト 押し出し ムンフビルグーン
山崎柊 寄り切り 西出大毅○
○杉本弘樹 押し出し 伊賀慎之助
○トゥルボルド はたき込み 鮫島輝
東洋大 3―2 近大
福原丈一朗 寄り倒し 清谷栄吉○
○麻田遥人 引き落とし 野口明輝
奥田史祐 押し出し 大谷夏希○
○山岸力 引き落とし 長内風道
○仲野奏人 はたき込み 浦山将瑛
▽決勝
東洋大 3―2 日体大
○福原丈一朗 寄り切り バヤルボルド
麻田遥人 突き出し デルゲルバト○
○仲野奏人 はたき込み トゥルボルド
○奥田史祐 はたき込み 山崎柊
山岸力 突き出し 杉本弘樹○
2026年11月02日 08時06分