◇フィギュアスケート GPシリーズ第2戦スケートカナダ最終日(2026年11月1日 カナダ・ケロウナ)
女子フリーで今季シニアデビューの島田麻央(18=木下グループ)が153・33点をマークし、合計235・44点でGP初出場優勝を果たした。同種目では紀平梨花(鹿島)、渡辺倫果(三和建装・法大)、中井亜美(TOKIOインカラミ)に続く日本勢4人目の快挙。ショートプログラム(SP)に続いてフリー、合計点も今季世界最高得点を叩き出した。三宅咲綺(23=シスメックス)は合計210・09点で4位となった。
万雷の拍手が島田に降り注いだ。SP首位から迎えたフリー。緊張を乗り越え、最後まで大きなミスなく滑りきった。2位に14点以上もの大差をつけ、日本女子で史上4人目となるGPシリーズのデビュー戦制覇。「シニアの大会でも、そしてこんなに緊張していても、いい演技ができたということは本当に自信につながった」。18歳の笑顔がはじけた。
冒頭でトリプルアクセル(3回転半)を軽やかに決め、次は4回転トーループ。直前の6分間練習で転倒したが、跳ぶ際の体の重心がわずかに後ろになっていると確認した。「絶対に立て直す」と前かがみで跳び上がった本番は、回転不足ながらも着氷。その後は連続ジャンプなど全て成功させ、終盤の高速スピンでは会場のボルテージも上がった。
「15歳でシニアに上がれると思っていた」が、22年にシニアの年齢制限が15歳から17歳に変更されたことから、ミラノ・コルティナ五輪への道が閉ざされた。ジュニアで過ごした4シーズン。公式戦39戦全勝と無敗を誇りながらも、負けられない重圧をずっと背負い「凄く苦しい4年間だった」と振り返る。
ただ、苦難の時期も常に自分と向き合った。好不調の波があっても、フリーには必ずトリプルアクセルと4回転トーループを組み込んだ。思うような結果を残せず涙を流すこともあったが、高みを見据えて挑戦を続けた。「今は少しつらいことがあっても何も思わない」という精神力。強いメンタルのもと、現在は4回転ルッツの習得にも意欲を示す。
SP、フリー、合計点と今季世界最高得点をそろえて優勝。他を圧倒しながらも「スピードや表現面をシニアらしく上げていきたい」とさらなる進化を誓った。GPシリーズは第5戦フィンランディア杯も出場予定。第1~6戦の成績上位6人が進むGPファイナルをシニア初年度に制すれば、日本勢では浅田真央、紀平梨花に続く快挙となる。これで世界ジュニア選手権4連覇を含め、国際大会では21戦負けなし。30年冬季五輪の金メダル獲得も期待される“令和のマオちゃん”が飛躍の一途をたどる。
▽GPシリーズ 世界各地で第1~6戦が行われ、各選手は最大2大会に出場可能。各大会の順位がポイント化され、各種目(男女シングル、ペア、アイスダンス)で合計ポイントの上位6人(6組)がGPファイナルへ進出。日本勢で最多優勝は男子が羽生結弦の4度、女子が浅田真央の4度。今年のGPファイナルは中国の重慶で開催される。
2026年11月03日 07時15分