俳優としても活躍した劇作家の芥正彦(あくた・まさひこ、本名斎藤正彦=さいとう・まさひこ)さんが10月27日、急性心筋梗塞のため都内で死去した。80歳。東京都出身。葬儀は近親者らで済ませた。
東京大学教養学部を中退。学生運動に身を投じ、東大全共闘で随一の論客と呼ばれた。作家の三島由紀夫が1969年5月に東大で学生と公開討論会を行った際、参加する予定はなかったが「おまえがいないと負ける」と言われ、急きょ登壇。赤ちゃんを抱いて現れ、三島と互角以上の論戦を繰り広げた。学生結婚をしていた芥さんは参加要請を受けた時、赤ちゃんとだんらん中だったという。
大学時代から演劇に傾倒。76年には豊川悦司(64)、柄本佑(39)らが所属する事務所「アルファエージェンシー」の創設に携わったが、フリーで活動した。同事務所は「芥さんがいなければ会社はなかった」と追悼。芥さんを知る社員は「論客だったとは想像もつかないほど穏やかで優しい方でした」と惜しんだ。
2026年11月05日 04時40分