ミルウォーキー・ブルワーズのロゴには、ちょっとした秘密が隠されている。黄色と紺色で描かれた野球のグラブ。中央には白いボールが収まっている。一見すると、ごく普通の野球用グラブを図案化したものに見える。しかし、よく観察すると、そこには球団の本拠地と愛称を表す2つのアルファベットが組み込まれている。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が報じた。
親指と手のひらの部分を形作っているのが、小文字の「b」。そして、残る指の部分が小文字の「m」になっている。「m」は本拠地ミルウォーキー(Milwaukee)、「b」は球団名ブルワーズ(Brewers)の頭文字だ。つまり、2つの文字を巧みに組み合わせることで、野球のグラブそのものを表現している。
このロゴが誕生したのは1978年。球団が実施したデザイン公募で、当時美術を学んでいたトム・マインデルが考案した。文字とグラブを一体化させた独創的なデザインは、やがて球団を象徴する存在になった。ブルワーズは1990年代以降、別のロゴを採用していた時期もあった。しかし、ファンの間で根強い人気を誇ったこのデザインは、2020年から再び球団の主要ロゴとして復活した。
ブルワーズという球団名は、ビール醸造業が盛んなミルウォーキーの歴史に由来する。「Brewer」はビールなどを醸造する人を意味する。そんな地域の伝統を背負う球団が、野球のグラブの中に本拠地と球団名の頭文字を忍ばせている。半世紀近く愛されてきたロゴには、野球と街への愛着が凝縮されている。
2026年10月21日 10時01分