東京ドームに詰めかけた多数のHondaファンに勇気をもらった。都市対抗1回戦・三菱自動車岡崎戦。赤に染まった観客席をグラウンドから見渡した坂口渉内野手(23)は胸が高鳴った。
「多少の緊張はありましたが、凄くたくさんのお客さんに応援していただけて、本当にありがたかったですし、去年と違って楽しめたと思います」
大歓声に応えたのは2回2死一、二塁の第1打席だった。カウント1―1からの3球目。直前の2球目に空振りしたのと同じチェンジアップを、今度は右越えの適時二塁打に変えた。6回にも打線がつながり、1点差まで追い上げたが惜敗。悔しさを残す晴舞台となった。
興譲館(岡山)、城西大を経て今季が入社2年目となる右打者。学生時代は「全部をきっちりやる」ことで成長してきたが、時には空回りすることもあった。
「入社して1年目の途中までは、それでしんどく感じることもあって。夏頃ですかね。先輩方に相談させてもらったら“もっと楽に考えた方が良い”と言っていただいた。そこから気持ちが楽になりました」
今季は出場したJABA3大会を全て制するなど、走攻守で隙のない野球を見せる強豪。先輩の背中からは多くの技術、理論を学んできたが、何よりも勉強になったのは「オンとオフの切り替え」だったという。
そんな坂口にとって、リラックスできる時間の一つは先輩である峯村貴希とのモーニングだ。月に一度のペースで開催。当初は野球部寮の周辺店舗だったが、「モーニング部」として徐々に活動の場を広げ、今では埼玉県内の各地に足を運ぶようになった。ちなみに野球部には岩本久重、野尻幸輝、千葉汐凱で構成される「コーヒー部」もあり、坂口はコーヒーに関する知識も収集。さまざまな種類を熟知した上で、おすすめの逸品を「アイスコーヒーのブラックです!」とした。
兵庫県宝塚市出身。京セラドームで行われる日本選手権には家族をはじめ友人、知人がが応援に駆け付ける。「(家族は)日本選手権であれば毎回来られると思う。何とか勝ち上がって、優勝できるように頑張ります」。今季はJABA静岡大会で2本塁打を放つなど、既に公式戦5本塁打をマーク。ドラフト候補にも目されるスラッガーが、勝利を呼ぶ一打を放つ。
2026年10月21日 09時00分