ナ・リーグを44年ぶりに制したブルワーズは20日(日本時間21日)、23日(同24日)に本拠地で開幕するワールドシリーズで初戦にジェーコブ・ミジオロウスキー投手(24)が先発することを発表した。
右腕は最速105.5マイル(約169.8キロ)を誇る超快腕。レギュラーシーズンは16勝(5敗)で、リーグトップの防御率1.80をマーク。サイ・ヤング賞受賞をほぼ確実とし、両リーグ最多103勝のチームをけん引した。
だがポストシーズンは2戦に先発し、ともに勝敗なしで5回を持たなかった。11日(同12日)のNLCS第1戦ドジャース戦でも、ドジャース打線の粘りに合い5回に入ると球速も100マイル(約161キロ)に達しない状況になっていた。
この2戦で右腕が投じた球数は182。そして94スイングを仕掛けられ、51球がファウルとなった。つまり、相手打者は快速球にも動じずに積極的にスイングをかけ、打球を当てている状況だ。三振も2戦で11奪三振と右腕にしては控えめだった。
MLB公式では、この要因を分析。実質、右腕を「丸裸」にしている。
シーズンでは、右打者が直球の下をスイングした割合は47%だった。ポストシーズン(PS)では、その割合は36%に低下した。また左打者は同条件で34%が14%に減少した。
これは、PSに入り相手打線の直球へのスイング対応力が高くなっているため。一方で右腕の制球力も微妙にズレが生じ始めている。
右腕は直球を高め外角に投球し空振りを取る意識が強い。だが、PSでは右打者に対しては直球が内角中央に入り、左打者に対しては低めのストライクゾーン真ん中に落ちてしまうことが多くなった。
直球のコースが悪ければ、相手打者はスイングしやすくなり100マイルを超えても対応はしやすい。これがPSのファウルが多くなった主たる要因だ。
シーズンでは直球に対するボール球の空振り率は34%だったが、これもPSでは27%に低下した。特に高めの直球に限ると、ボール球の空振り率は41%から32%に低下した。シーズンでは、打者が直球に手を出した場合56%が空振りだった。PSではその数字もわずか7%にとどまっている。快速球の「威嚇」が通じない状況と言える。
PSに入り打者陣は明らかに右腕の快速球を攻略しようと集中している。この事実は間違いない。難敵レイズ相手のワールドシリーズでも、楽にはならない。レイズはメジャーリーグで最もコンタクト率が高い打線だ。
ミシオロウスキーが本来の制球力を取り戻せれば、レイズのような打撃力の高いチーム相手でも優位に立てる。だが、PSに入って悪化している制球力が回復しなければ、この状況は変わらない、
このままでは、レイズはドジャースやパドレス同様に右腕には手強い相手となる。注目の第1戦は、快腕の直球がどれだけ「定まっている」かが焦点の1つとなる。
MLB公式がこれだけ本気の分析を紹介する右腕。このことこそが、ミジオロウスキーという投手が魅力的存在であることを証明している。
2026年10月21日 15時55分