今年のドラフト会議で榊原七斗(阪神1位)ら4人が指名を受けた明大。これで17年連続指名という記録を更新したことになる。
この間「今年は途切れるだろう」という年も何回かあった。18年の渡辺佳明(楽天)や22年の村松開人(中日)が指名されて継続されたわけだが、入学したときは今年の榊原や岡田啓吾(楽天2位)らと同じく将来プロとは考えられなかった。高校時代にプロ志望届を提出していたら上位指名は確実と言われたのは森下暢仁(広島)くらい。明大の4年間で鍛え先輩たちがプロ入りするのを見ながら己も近づこうと努力した結果だろう。
佐野恵太(DeNA)が入学した際に1学年上の高山俊(元阪神)の打撃を見て衝撃を受け「こういう人がプロに行くのか。自分もこういう打球を打てればプロに行けるかも」と思ったのと同様に、入江大生(DeNA)は森下を、光弘帆高(広島5位)は宗山塁(楽天)をお手本にしながら成長した。
約130人の部員全員が寮で生活し、一般受験組や付属校の選手もいる。23年春に首位打者を獲得した飯森太慈(東京ガス)は指定校推薦で入学した。スポーツ推薦組に負けてなるかと努力しレギュラーやベンチ入りをつかむことでチーム全体の刺激にもなっていく。
環境面では敷地内にグラウンド、室内がありいつでも練習できる。戸塚俊美監督は助監督時代を含めると7年間寮に住み、現在は松岡功祐コーチ(83)も寝食を共にする。夜に練習したいときは付き合い、私生活にも目を光らせる。「野球への取り組みが甘い選手は必ず生活面に出てくる」と話す。寝坊や取得単位が足らない選手は練習から外される。善波達也元監督、田中武宏前監督も含め故島岡監督の薫陶を受けた指導者たちが「社会に出て役に立つ人材を育てる」という共通認識でチーム作りをしているのだ。
来年は湯田統真投手(仙台育英)田上夏衣外野手(広陵)らがドラフト候補に挙がる。「明治はプロの養成所じゃねえんだ」と話していた島岡監督が天国から苦笑いを浮かべているかも知れない。(落合 紳哉)
2026年10月24日 12時49分