広島とヤクルトでプレーした小早川毅彦氏(64)が26日に放送されたBS10の野球トークバラエティー「ダグアウト!!!」(月曜後9・00)にゲスト出演。巨人との開幕戦で放った衝撃的な3打席連続本塁打を振り返った。
元広島監督の達川光男氏(71)と一緒に出演した小早川氏。PL学園、法政大を経て1983年ドラフト2位で広島入りし、1997年に移籍したヤクルトで1999年シーズンを最後に現役引退した。引退後には広島でコーチも務めている。
そんな小早川氏が広島から戦力外通告され、自由契約を経てヤクルトに移籍した1年目、1997年4月4日に行われた巨人との開幕戦(東京D)のことだ。
“野村再生工場”の異名を取った名将・野村克也監督は小早川の広島時代から高く評価しており、いきなり開幕5番に抜てき。そして巨人の開幕投手は“平成の大エース”“ミスター完投”などと呼ばれた斎藤雅樹だった。
3年連続開幕戦完封という巨人の大エースから放った3打席連続本塁打について「ゾーンに入ってた、みたいな」とまずは当時を振り返った小早川氏。
「第1打席…真っすぐ打ったんですけど。それは自分のスタイルで最初の打席はいこうと思って。で、真っすぐ、最初のストライクを捉えてセンターに入ったんですよ。で、今度はカーブを打ったんですけど…2打席目は」
2打席目は前日のミーティングで野村監督が話した言葉をもとに放った一発だった。
野村監督は「なぜヤクルトが斎藤雅樹を苦手にしているか」というテーマで話を進め、「1ストライク3ボールというカウントで斎藤は必ず外からカーブを投げて来る。コントロールがいいからストライクを取ってきて、フルカウントになって、追い込まれたような形になって打ち取られる。誰かそのカウントになった時に外から入ってくるカーブを打ってくれ!頼む!」と具体的に指示したという。
「で、たまたま2打席目にそのカウントになったんです。そのカウントになった時にチラッとベンチを見たら。僕、左打者だから三塁側、見えるじゃないですか。チラッと見たら野村監督がこんなことしてくるんですよ、僕の目を見て」
ベンチで意味ありげにうなずく野村監督を見て「普段、僕はそういうスタイルじゃないんですけど、100%カーブに的を絞って。本当にカーブが来たんですよ。本当にカーブが来たから。100%だから打てますよね」と狙って2本目を叩き込んだ。
ベンチに帰ると「ほら、来たやろうが」とノムさん。「監督、でも打ったの僕ですよ」と軽口を叩いたが、こうなるともう止まらない。
「3打席目に向かう時に(野村監督の)横を通ってネクストバッターズサークルに行くじゃないですか。その時にユニホームのベルトを(背後から)ぐっと持たれたんです。“分かってるやろな”って言われたんですよ。何を分かってるやろなって…。ネクストのところで考えて。真っすぐ、カーブ。あっ!次はシンカーか!と思って。斎藤投手の持ってる球種。じゃあ、次はシンカーか…そういうことか…と思って打席に立ったら本当に全部シンカーなんです。初球から全部シンカー。で、そのシンカーを捉えてホームラン打てました。4球目か5球目ぐらいです」
直球、カーブ、シンカー。持ち球の何を投げても打たれてしまう斎藤はマウンドで首をかしげ、スタンドの巨人ファンはぼう然。この試合を6―3で勝った前年4位のヤクルトはこの年、セ・リーグ優勝を果たしたのだった。
2026年10月30日 19時43分