【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】
野球選手の中には自分の考えを言葉で伝えるのに慣れた選手と、そうではない選手がいる。良し悪しではなく個性のひとつだ。
どちらかというと後者だった25歳は、2年前に比べて会話の幅が広がっていた。そして自ら「言語化」という言葉を口にした。
韓国KBOリーグ・KIAタイガースの白川恵翔(前四国・徳島)は今季途中、2年ぶりにKBOに復帰した。
白川は2024年に代替外国人選手としてSSGランダーズ、斗山(トゥサン)ベアーズでプレー。同年8月の登板で右ひじ痛を発症し、徳島に復帰すると12月に右ひじ内側側副じん帯再建術(トミー・ジョン手術)を受けた。
「(手術後の)リハビリ期間中、徳島の岡本(哲司)監督に『若いピッチャーにアドバイスをして欲しい』と言われました。若い選手には『それって何にもつながらないな』という個人練習をしている人もいて、教えながら自分も学ぶという経験をしました」
「徳島にはインディゴアカデミーという小中学生の野球教室がありますが、そこでバイトもやりました。そこでも教えることが自分のためになって、言語化できるのはいいなと思いました」
今年5月下旬、白川はKBOの新制度「アジアクォーター制」で徳島からKIAに移籍。KIAでは通算198勝の38歳左腕から吸収した。
「梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン)さんとはご飯を食べている時、休憩している時も最初の頃は野球の話ばかりしていました。どんな話かは、ちょっと…すみません。調整のことをはじめ、色々と学ばせていただきました」
「聞いた話は全部ノートにメモしています。前は携帯(電話)に打っていたんですが、打つよりも書く方が覚えられると思いました。KBOでは登板日以外もベンチに入ります。ベンチで携帯は見られないので、手元に置けるノートにメモしていつでも見返して忘れないようにしています」
KBOは現在、ポストシーズンの真っ最中。白川は10月20日に行われたLGツインズとの準プレーオフ第3戦で大仕事を成し遂げた。
先発登板した白川は6回途中4安打1失点。初回から飛ばしてストライクを先行させ、高低を上手く使って三振9個を奪った。
白川の好投で3連勝を飾ったKIAはプレーオフに進出。白川はKBOポストシーズンで日本人外国人選手初の勝利投手となった。
「LGには2年前から勝ったことがなかったですし(4試合0勝2敗)、防御率も結構高かったので、心配と初めてのポストシーズンの緊張もありました。ですが野手のみなさんにも助けられて、勝つことができました。自信になりました」
「ひじを痛めた時、注射で治療しようかものすごく迷いましたが、リハビリしていた時に自分のためになることが多かったので、手術して良かったです。でも、カメラ向けられるのが苦手なのは変わってないです」
2026年11月03日 13時10分