◇第51回社会人野球日本選手権大会第9日準々決勝 日本通運4─3東京ガス(2026年11月8日 京セラドーム)
日本通運は劇的な逆転勝ちで4強入りを決めた。
3点差を追いついた8回、なお2死満塁の好機。木村翔太への初球に三走・北川利生が本塁へ突入する必殺の“トリプルスチール”で決勝点を奪った。
「(本盗は)今までで初めて。走力は平均並みです」と照れたが「ピッチャーが打者ばかり見ていたし、応援で野手の“走った”という声も聞こえないので」と根拠あってのビッグプレー。澤村幸明監督も「もちろんノーサインです。二塁に行った時から狙っていた、と。すごい野球勘ですね」と感心しきりだった。
入社2年目の17年都市対抗で久慈賞を受賞した経験もある、入社11年目の33歳。昨年まで2年続けて日本選手権出場を逃し、監督に自ら志願して今季から主将に就任した。
「在籍10年で今が一番弱いな、と思って。意識的に低いというか、当たり前の基準がちょっと低い。振る舞いとかプレーとか、そういうのが気になってたんで。先頭に立って変えていこうかな、と」
ベテランだけに肩書きがなくとも引っ張ることは可能だが、後輩が気を使いながら主将をつとめるなら、自らが肩書きを背負う方が全体のためになる、と思い決意した。
「みんなが気づかないところを多少口酸っぱく言ってるんで。言ってすぐは守りますけど、時間が経ったら薄れてくる部分があるんで。そこを面倒くさがらず言い続けるのが自分の役割かな、と」
この日も初回に守備陣が3失策を犯して先制点を献上した。
「とにかく自滅しないチーム、というところからやってきたけど、まだまだ考えられないミスも出る。まだ優勝とはいうレベルじゃないんで、しっかり目の前のやるべきことをやらないと」
劇的な勝利にも足元を見つめ直していた。
2026年11月09日 02時10分