女優の池端杏慈(19)が躍進中だ。今年はフジテレビの看板ドラマ枠「月9」とNHK大河ドラマに初出演。いずれもオーディションで役を射止めた。また現在のCM契約は4社で、うち3社が今年からの契約とCM出演も増えている。本紙の取材に「もっと頑張らなきゃってエネルギーにつながる」と充実の表情を浮かべた。
凜(りん)とした雰囲気と同時に、話せば明るく笑うらんまんさも持ち合わす。武器はコミュニケーション能力だ。中2でティーン誌「ニコラ」の専属モデルになった時から「一緒に仕事する人とはコミュニケーションを取った方が絶対良い現場になる」という意識を大事にしてきた。取材中も笑顔で机に倒れ込むなど体全体で応じる姿が印象的だった。
「現場に行く前に下調べをして、会話を自ら作りにいくことを心がけています」。まさに相手や物事を“案じ”る姿勢だ。
それは大河ドラマ「豊臣兄弟!」の現場でも生きた。演じるのは豊臣秀長(仲野太賀)と慶(吉岡里帆)の間の子・末。吉岡が結婚情報誌「ゼクシィ」のCMガールの先輩だと事前に把握。「やってみたい呼び方があります」と伝え、「吉岡先輩!」と呼ぶと距離が一気に縮まった。「会話が弾むと太賀さんも交ざってくれて、お二人への緊張がほぐれて芝居しやすくなりました」と振り返った。
制作陣との会話も欠かさない。末の初登場時は7歳。「こんな年下を演じるのは初めて」と戸惑うと即相談。小股での歩行や注意散漫な視線の使い方などを学び、演技の幅を広げる機会となった。
ポカリスエットのCM、高校サッカー応援マネジャーなどの若手の登竜門を通ってきた。順調に思えるが「オーディションは不合格ばかり」と苦悩もある。「落ちた時はラーメンを食べに行ったり、自宅の鏡の前で踊ったり」と切り替え方も自己流。憧れは森七菜(25)や杉咲花(29)で「リアルにいそうだけど、その人にしかできない芝居をできるようになりたい」と目標を掲げた。
「芝居は役を通じて新しい自分を知る楽しさがある」と、自身を知る意欲にもあふれている。「経験がまだ浅い。いろんなことを知って糧にしていきたい」。この飽くなき知的好奇心で、誰もが知る女優への道を切り開いていく。 (山内 健司)
《映画「ワンダンス」特技ダンス生かせる役》11月27日公開の「ワンダンス」(監督草場尚也)もオーディションで役を勝ちとった。内気な主人公(&TEAMのJO)をダンスの世界に引き込む明るいダンサー役で「一歩踏み出す勇気をくれる作品」とアピール。ウィッグで金髪のロングヘアに変身。染髪したことがないため、貴重な“初金髪”だ。撮影ではウィッグを「相棒」と呼び、役に入るスイッチにしていた。特技のダンスも生かせる役で「好きを仕事に生かせるのは幸せ。好きや特技をもっと増やしていけたら」と話した。
《月9初出演で手応え「メーターを超えた瞬間」》フジ月9初出演となった4月期の「サバ缶、宇宙へ行く」では、同世代の女優3人との共演場面が多かった。「最初はなかなか距離があった」と言うが、率先して話しかけることで「空き時間に皆で楽屋で何時間もしゃべるくらい仲良くなったりできた」と笑顔で振り返った。そして、「コミュニケーションをとるって本当に大事だなって思います」とうなずいた。演技の面でも大きな気付きがあった。それは劇中のプロジェクトが成功して感動する場面。「素の自分では知らない感情があふれ、メーターを超えた瞬間でした」と手応えを感じていた。
◇池端 杏慈(いけはた・あんじ)2007年(平19)9月8日生まれ、東京都出身の19歳。22年TBS日曜劇場「オールドルーキー」で女優デビュー。25年3月から「ゼクシィ」のCMガールを務める。取材中に考案したキャッチコピーは「負けず嫌いの池端杏慈。常にやる気は全力」。好きなラーメンは豚骨。1メートル65。
2026年10月23日 05時30分