ゴジラシリーズの新作映画「ゴジラ-0.0(マイナスゼロ)」が11月3日に公開される。2023年「ゴジラ-1.0」に続いてメガホンを託された山崎貴監督(62)は、シリーズでは珍しい純粋な続編に挑んだ。
前作「ゴジラ-1.0」から2年後の1949年、ゴジラが残した傷がまだ癒えていない中。今度はキングギドラが襲来し人々を絶望の淵に陥れる。だが、脚本を執筆する上で重要視したのは人間ドラマだった。
「怪獣のVSモノにはしたくなかった。敷島家(神木隆之介、浜辺美波ら)をはじめキャラクターたちのその後を見たいというのが、続編を作る上での一番のモチベーションでした。怪獣が出てきてしまうと、どうしても人間がおざなりになってしまう。人間たちの気持ちを凄く大事にしたかったので、それが最大の課題でした」
64年「三大怪獣 地球最大の決戦」で初登場した“同い年”で、故郷の長野・松本に飛来したキングギドラ、初めて作ったプラモデルで物語の鍵を握る飛行艇「二式大艇」と、個人的な思い入れも存分に反映。特にキングギドラはその生態を存分に生かした。
「とても低い目線に来られる唯一の怪獣。頭を下げれば人間の目線で追いかけ回すことができるので、怪獣の怖さの表現としてとても面白い。いろいろな工夫で、怪獣と人間の目線を合わせることは意識しました」
前作で24年の米アカデミー賞視覚効果賞を受賞して以降、自身を取り巻く環境は一変した。日本の映画監督として初めて米大手エージェントのCAAと契約。米映画第1弾となる「グランドギア(原題)」は、J・J・エイブラムス監督がプロデュースし28年1月14日に公開される。
さらに、デビュー当初から構想を温めていた企画「鵺」が、リドリー・スコット監督の製作会社で開発が進められている。神木が冗談交じりに「世界のタカシ」と称する通りの躍進ぶりだ。「これも全てゴジラが見せてくれた景色。感謝しなければいけない」。
ただ、「“ドメスティックなもの(国産のコンテンツ)ほど強い”という感覚は維持していきたい」という信念は変わらない。では、ゴジラの次なるカウントダウンはどこに向かうのか。「先々のことは分かりませんけれど、どうなっていくんでしょうね」。笑顔でかわしたが、既にそのイメージは膨らんでいるに違いない。(鈴木 元)
2026年10月23日 05時30分