阪神が、最速159キロのパワーと多彩な変化球を兼ね備えた“ハイブリッド右腕”のブラッドリー・ブラロック投手(25=前マーリンズ)の獲得に動いていることが4日、分かった。高校からドラフト下位指名でプロ入りし、マイナーでの長い下積み生活を経てメジャーにたどり着いた“たたき上げ”だ。メジャー通算25試合で3勝9敗の実績は目立たないものの、年齢も若く、伸びしろは十分。セ・リーグ3連覇へ、補強が本格化していく。
猛虎が獲得に乗り出すブラロックは、最速159キロ、今季の平均でも154キロを計測した直球を軸に、多彩な変化球を操る。縦に大きく割れるカーブ、横滑りするスイーパー、鋭く曲がり落ちるスライダー、落差があるスプリット。さらにシンカー、カットボールも投げ分ける。力強さと技を兼ね備えた“ハイブリッド右腕”だ。
メジャー通算25試合のうち18試合に先発。ロッキーズ時代の25年には、一時先発ローテーションの一角を担った。1メートル88の長身から投げ下ろす角度も魅力の一つだ。今季は主にマーリンズ傘下3Aで過ごし、メジャーでは4試合に救援登板。制球面には課題を残すものの、7種類の球種を持つ器用さは、いかにも日本向きだ。
粟井一夫球団社長は、3連覇が懸かる来季へ向けて「選手層を厚くしたい」と宣言している。今季を振り返り、「先発でも外国人を、ある程度獲得して臨んだが、故障と調子が上がらず、先発の外国人もしんどかった」と語ったことから、先発陣の補強は、重要課題の一つだった。高橋、村上、才木に続く新たな柱が加われば、シーズンを優位に進められる。
ブラロックを語る上で、決して平たんではなかったプロでの歩みは欠かせない。19年に高校からドラフト32巡目にレッドソックスに指名されたが、翌20年は新型コロナウイルスの影響でマイナーリーグの開催が中止。22年には右肘内側側副じん帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。24年にブルワーズでメジャーデビューを果たすまで、プロ入りから5年を要した。
25年5月のパドレス戦では、4回途中12失点の火だるまになる屈辱も味わった。それでもその後に復調を果たすなど、挫折の度にはい上がってきた“たたき上げの男”なのだ。
3日(日本時間4日)にマーリンズから自由契約となった。海外移籍がささやかれる中で、本人は阪神の公式SNSをフォロー。海を渡る準備を進めているかのような動きも見せている。下位指名からはい上がってきた「心」、多彩な変化球を操る「技」、160キロに迫る球速を誇る「体」。心技体を兼ね備えた25歳は、さらなる成長を遂げる可能性を秘めている。
◇ブラッドリー・ブラロック 2000年12月25日生まれ、米ジョージア州出身の25歳。19年ドラフト32巡目(全体977番目)でレッドソックスと契約。ブルワーズ時代の24年6月20日、パドレス戦でメジャーデビュー。ロッキーズを経て今季はマーリンズでプレー。1メートル88、96キロ。右投げ右打ち。
2026年11月05日 01時14分