広島・森下暢仁投手(29)が4日、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権の行使を表明した。広島市南区の球団事務所で申請書を提出し「自分の評価を聞きたい。やはり勝ちたいので、熱量などを考えて決めたい」と語った。主戦右腕には巨人、ソフトバンクなど5球団が興味を示しており、FA宣言後の残留を認める広島を含め、大争奪戦になるのは確実な情勢だ。
争奪戦のゴングは鳴った。正午過ぎ。球団事務所で国内FA権行使を申請し、取材に応じた森下は「先ほど書面を提出した」と切り出した。表情を変えず淡々とした口調。FA宣言する理由に言及しても、揺れ動く気持ちを隠さなかった。
「(他球団の)自分の評価を聞きたい。ただ残留するか、移籍するか、今でも本当に悩んでいますし、決め切れていないです」
今オフのFA市場最大の目玉。広島は広島なりの誠意を尽くし、主戦右腕の慰留に努めてきた。条件面では、4年契約と推定年俸2億円からの増額を提示しているとみられる。FA宣言後の残留も認め、これが森下の背中を後押しした。
「宣言残留OKと言ってもらえたので、こうやって悩むことができる。球団には7年間育ててもらったし、残ってほしいという言葉もいただいた。ファンの方々の応援にも支えられて、今の自分があると思っています」
ルーキーイヤーから7年連続で120イニング以上を投げ、規定投球回に到達すること5度。今季は7勝11敗、同3・60でも通算60勝、防御率2・84の安定した実績を誇るタフな右腕を巡っては巨人、ソフトバンク、DeNAなど5球団が興味を示していると伝わる。
「自分への評価や、熱量の多いチームを考えて決めたい。やっぱり勝ちたいので、そこへの熱量だったり、チーム方針を聞けたらと思います。カープで勝ちたい気持ちもあるので、そこも踏まえて」
所属球団を選ぶ上で大事にするポイントへの質問に、そう答えた29歳。年俸2億円は補償が必要なAランクとみられるが、広島を含めて大争奪戦になるのは避けられない。21年の契約更改時に希望を伝えた、メジャー挑戦にも言及した。
「夢は持っていますし、そういう高いレベルで野球をやりたいと常々思っているので、そこも考えながら」
広島は代理人を通じて引き続き慰留に努める方針。チーム愛か、新たな環境での挑戦を選ぶのか。森下の、沈思黙考は続く。 (江尾 卓也)
◇森下 暢仁(もりした・まさと)1997年(平9)8月25日生まれ、大分県出身の29歳。大分商、明大を経て19年ドラフト1位で広島入団。1年目から先発ローテに入り規定投球回到達。10勝、防御率1・91、124奪三振で新人王。21年東京五輪では決勝を含む2戦2勝で金メダル獲得に貢献。22年ゴールデングラブ賞受賞。25年に初の開幕投手を務めた。1メートル81、81キロ。右投げ右打ち。
2026年11月05日 05時05分