◇第51回社会人野球日本選手権大会2回戦 パナソニック 4―0 王子(2026年11月6日 京セラドーム)
楽天からドラフト3位指名を受けた王子先発・樋口新投手(24)は、6回1/3を投げて5安打4失点(自責4)。粘りの投球を展開したものの、勝利には手が届かなかった。
「チームを勝たせる投球ができなかったので、悔しい気持ちでいっぱいです」
西武ドラフト2位指名のパナソニック・柿本晟弥との投げ合い。直球はこの日最速144キロで、大半が140キロ前後ながら、相手打者のバットを詰まらせる球威を帯びた。その直球にツーシーム、チェンジアップ、スライダー、カーブを巧みに織り交ぜ、相手打者に的を絞らせなかった。5回まで被安打わずか1。その実力を誇示するかのように、スコアボードに5つの「0」を並べた。
「相手より先に点を与えないつもりで投げましたし、先にマウンドを降りないつもりで投げました」
だが、相手先発右腕が5回1安打無失点で先にマウンドを下りると、緊張の糸が切れたかのように捕まった。6回2死二塁から2番・坂下翔馬に右前先制打を浴びると、7回にも1点を失って、なおも1死一、二塁の状況で降板。後を受けた投手も失点を重ね、この回だけで致命的な3失点。「そこ(スタミナ面)は全然問題なく、自分の力不足で捕まってしまいました」。淡々と反省を口にした。
入社1年目から、エース格としてフル稼働してきた最速151キロ左腕。昨夏の都市対抗は決勝で先発を務め21年ぶりの優勝に貢献した。昨年はJABA大会20試合に登板し、防御率1・98で年間最優秀防御率にも輝いた。今夏もチームを都市対抗8強に導いた他、アジア大会にも日本代表として出場し、6試合のうち3試合に先発して2勝を挙げるなど、国際舞台でも実績を残した。
飛躍を遂げた社会人での2年間を「いい思いを、いっぱいさせてもらいました。悔しいこともいっぱいありましたけど、本当に王子に来て良かったと思える2年間でした」と振り返った。必勝を期して臨んだ社会人野球最後の公式戦だったが、頂点は遠かった。この悔しさは、プロの舞台で晴らす。
◇樋口 新(ひぐち・しん)2002年(平14)6月28日生まれ、東京都出身。下里中では小平クラブに所属し、千葉経大付では2年春からベンチ入り。甲子園出場なし。愛知工大では1年春からベンチ入りし、4年秋に最優秀防御率、最多奪三振を獲得。好きな芸能人は有村架純。遠投110メートル。1メートル78、84キロ。左投げ左打ち。
2026年11月06日 18時38分