巨人の来季監督に、球団OBでヤンキースなどでも活躍した松井秀喜氏(52)が就任することが23日、分かった。日米507本塁打の希代のスラッガーは12年限りで現役を引退後、春季キャンプで臨時コーチを務めるなど古巣と関わってきた。球団、ファンが待ち望んできた「松井監督」が誕生する。午後に記者会見を行う。
今季は阿部慎之助前監督に代わってシーズン途中から橋上監督代行が指揮。11日のCSファーストS敗退後、球団は後任の人選に着手してきた。2年連続V逸となったチームの再建を託すべく、オファーを出したのが松井氏だった。現在、米国を拠点に生活する松井氏の日本での生活環境の整備など時間をかけて交渉し、受諾に至った。
球団の悲願でもある。松井氏が12年に現役引退後、ラブコールを送り続けてきた。恩師の長嶋茂雄さんが「巨人OBとして、いつかはそうなってほしい」と願っていた監督就任。14年1月には長嶋さん、当時の渡辺恒雄球団最高顧問、白石興二郎オーナー、松井氏で4者会談し、将来の監督候補としての入閣を打診された。その後も、監督候補として度々名前が挙がってきた。
昨年6月に長嶋さんが死去した際には、ニューヨークから緊急帰国。羽田空港から直接、恩師の自宅へ向かって対面後に「長嶋監督と生前、約束したこともあります。その約束を果たしたいなと思います」と発言した。同8月には「約束が何かは言えないけれど、ただ、ジャイアンツの未来に自分自身が関わっても不思議ではないと思っています」と語っていた。“約束”の真意は語られていないが、将来的な巨人監督を含めて球界への恩返しを果たすのは、恩師との共通認識だった。
引退後も常に気にかけてきた古巣。14年から今年までに5度、春季キャンプで臨時コーチも務めた。2度目の16年には軸足中心の打撃フォームを助言された坂本が同年に首位打者を獲得。岡本(現ブルージェイズ)らに惜しみなくアドバイスを送り、成長を促してきた。
チームは今季、阪神とシーズン最終盤まで優勝争いをしたが、2位に終わった。防御率2・80は阪神の2・79に迫るリーグ2位の一方、486得点は同3位で、103本塁打、長打率・348はリーグ4位と得点力が課題。岡本が抜け、坂本や丸らが30代後半で過渡期にある状況で若手野手の台頭が望まれる現在。日米通算507本塁打の松井氏によって金の卵たちの開花に期待がかかる。
3年ぶりのリーグ優勝、そして15年ぶりの日本一へ、松井監督に再建が託される。
◇松井 秀喜(まつい・ひでき)1974年(昭49)6月12日生まれ、石川県出身の52歳。星稜から1992年ドラフト1位で巨人入団。02年オフにヤンキースへFA移籍。09年に日本選手初のワールドシリーズMVPに輝く。10年以降はエンゼルス、アスレチックス、レイズでプレーし、12年限りで現役引退。日米通算2643安打、507本塁打。13年5月に国民栄誉賞を授与され、18年に野球殿堂入り。
2026年10月23日 11時58分